...なんとかかとか必ず苦情の持ち上がるべき英国風の小やかましい検疫もあっさり済んで放蕩者(ほうとうもの)らしい血気盛りな検疫官は...
有島武郎 「或る女」
......
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...さらぬだに血気盛りの顔はいよいよ紅(くれない)に照れり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...而して彼れは三十歳前後の血気盛りなる風貌に於て其の中に見出されしが...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...三十幾歳の血気盛りなるべき頃からして既に彼は――ツワイクの描くところに依れば――殆ど亡霊のように痩せこけて骨と皮ばかりの肉体...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...イブン・サウドは三十三四歳の血気盛り...
豊島与志雄 「文学以前」
...然るに血気盛りの学生たるもの猶学校の空位空聞に恋々たる其の心事の陋劣にして其思想の旧套(きゅうとう)陳腐を脱せざる事真に憫笑すべきなり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...血気盛りの二人の若い...
中里介山 「大菩薩峠」
...年齢もようやく四十に近い血気盛りとあっては...
中島敦 「李陵」
...四十何歳という血気盛りの...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...当年満三歳の血気盛り...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ひどく罵倒されて、血気盛りで、若かったわたしは、かっとなって、思わず、匕首(あいくち)を抜きました...
火野葦平 「花と龍」
...唄の声は若い血気盛りの女性の喉から出るものでもないらしい...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...二十代の血気盛りの奉公人たちがみんな訳もなくチリチリしていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...潮焼けのしたガッシリとした血気盛りの席亭は...
正岡容 「寄席」
...しかし田舎から連れ戻された血気盛りなるべき年齢のものの間にも...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ふと聞けば新田義興が足利から呼ばれて鎌倉へ入るとの噂があるので血気盛りの三郎は家へ引き籠もって軍(いくさ)の話を素聞きにしていられず...
山田美妙 「武蔵野」
...能に入ったのが六十歳だから能楽の弟子としてはまだ二十歳の血気盛りのつもりでいる...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
便利!手書き漢字入力検索