...大陸や朝鮮との交通によつて養蠶がおこなわれるようになつたのである...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...齊の地方は禹貢などからして蠶織のことが出て居ります...
内藤湖南 「近畿地方に於ける神社」
...蠶豆、莢豌豆、獨活、慈姑の如きもの、散歩の際これを路傍の露店又は農家について購ふことを得べし...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...佐渡といふ所は氣候がいゝ上に桑が自然に生えて居るのだけれど惜しいことに養蠶に熱心するものがない...
長塚節 「佐渡が島」
...蠶豆(そらまめ)の花(はな)も可憐(かれん)な黒(くろ)い瞳(ひとみ)を聚(あつ)めて羞(はづ)かし相(さう)に葉(は)の間(あいだ)からこつそりと四方(はう)を覗(のぞ)く...
長塚節 「土」
...南(みなみ)では養蠶(やうさん)の結果(けつくわ)が好(よ)かつたのと少(すこ)しばかり餘(あま)つた桑(くは)が意外(いぐわい)な相場(さうば)で飛(と)んだのとで...
長塚節 「土」
...已(やむ)を得(え)ず桑(くは)を植(う)ゑて蠶(かひこ)を飼(か)ふんださうであるが...
夏目漱石 「門」
...すこしばかり蠶のことを知つてゐるといふ...
長谷川時雨 「桑摘み」
...蠶の出來るじゆんじよを知らなかつたのだ...
長谷川時雨 「桑摘み」
...香箱の中へ蠶をうませるのだとせがんだものだつた...
長谷川時雨 「桑摘み」
...土宜禾稻麻紵蠶桑...
范曄 「後漢書倭傳」
...充たされぬ自己の欲望のためにいつか自分自身をも知らず識らずの裡に蠶食してゐるそのやうな不幸なものを...
堀辰雄 「ゲエテの「冬のハルツに旅す」」
...入浴のすがたは蠶飼(こがひ)の棚を見るやうに...
室生犀星 「帆の世界」
...蠶時は赤襷の姉さん冠りが優しい僻歌につれて左右に動くのが...
横瀬夜雨 「花守」
...家の中は一ぱいに蠶棚が立てられてゐて...
吉江喬松 「山岳美觀」
...蠶食しようと努めてゐるやうでもあつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...養蠶用具の置き場所になつてゐた...
吉川英治 「折々の記」
...白骨に行けばその年の蠶の出來榮が判るとまで謂はれてゐるのださうである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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