...保吉(やすきち)は未(いま)だに食物(しょくもつ)の色彩――脯(からすみ)だの焼海苔(やきのり)だの酢蠣(すがき)だの辣薑(らっきょう)だのの色彩を愛している...
芥川龍之介 「少年」
...按摩の目は蠣(かき)や云います...
泉鏡花 「歌行燈」
...牡蠣船は艫の右の障子が開いて綺麗な女中が何時かの所に坐つて琵琶を弾いてゐた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...牡蠣(かき)あがりまっか」来る時に男の頭の見えていた隣の室では男と女の笑う声がしていた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...牡蠣船は障子を締め切って壮(わか)い酔どれの大きな声がしていた...
田中貢太郎 「牡蠣船」
...このごろは蠣殻町にゆくかね?」打って変ったような優しい顔をしてさばけた口を利いた...
近松秋江 「うつり香」
...A君は蠣殻町の勤め先を早仕舞にしてわたしの家に立寄り連立って出かけたのである...
永井荷風 「写況雑記」
...牡蠣だよー!」「女房に負けるな...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...カビヤ)の料理にて生蠣はレモンの汁(つゆ)を湛(たた)え...
村井弦斎 「食道楽」
...それから牡蠣を外の鍋へ並べてテンピかカステラ鍋の中へ入れて熱い火で十分間焼て牡蠣から出た汁を前のかけ汁と交ぜて焼た牡蠣へかけるのだ」客「少々面倒だね...
村井弦斎 「食道楽」
...その時一旦牡蠣を掬(すく)い上(あげ)て汁の中へバターと塩と胡椒と牛乳を加えて米利堅粉を溶てその汁を濃くした処へ前の牡蠣を入れてまた五分間煮立てるとそれでモー出来るよ」客「なるほどね...
村井弦斎 「食道楽」
...牡蠣は実に滋養になって美味いがしかし時によると中毒する事があるというね」主人「五月の牡蠣は産卵期だから卵巣(らんそう)へ毒質を持(もっ)ていて食べると中毒する...
村井弦斎 「食道楽」
...○牡蠣は蛋白質壱割四分...
村井弦斎 「食道楽」
...近年は大方(おおかた)蠣殻葺きに成り...
柳田国男 「母の手毬歌」
...すなわち蠣(かき)の殻(から)はもう使っていないので...
柳田国男 「母の手毬歌」
...牡蠣を砂から掘出して来て食べて見ろと云つて連(しき)りに勧めるが...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...――もう蠣(かき)の季節でもないが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...蠣浜(かきはま)橋の上まで来ると...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
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