...その地内(じない)に蠑螺堂(さざえどう)という有名な御堂がありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ちょうど蠑螺の穀(から)のようにぐるぐると廻って昇り降りが出来るような仕掛けに出来ており...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...とうとう蠑螺堂は取り毀(つぶ)すことになって...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...ところが、この売るということが、お話しのほかで、買い手もないといった頃、その頃の堂々たる大名、旗本の家屋敷、あるいは豪商大家の寮とか別荘とかいうものでも、いざ、売り払うとなると二束三文、貰ってもしようがないと貰い手もない時節であるから、この蠑螺堂を、壊し屋が買った値段も想像されます...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...あの蠑螺堂に納まっていた百観音のお姿が...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...いつぞやお話した百観音の蠑螺堂(さざえどう)のぐるぐると廻って階段を上る行き方を参考としまして...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...彼は肴屋(さかなや)に蠑螺(さざえ)を一籠(ひとかご)誂(あつら)え...
徳田秋声 「縮図」
...また小あきんどが露店をならべて蠑螺(さざえ)の壺焼や...
中勘助 「銀の匙」
...寐てるうちに蠑螺が逃げやしないかと心配して笑はれたこともおぼえてゐる...
中勘助 「銀の匙」
...本所の五つ目に有名な蠑螺堂(さざえどう)という羅漢寺(らかんじ)がございました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...蠑螺堂の百羅漢もその例に漏れる筈(はず)もありません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...蠑螺堂の窓から射し込んでいた...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...蠑螺堂の回廊をキャッキャッと騒ぎながら登ったのは...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...蠑螺堂の百観音の焼かれるのも...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...蠑螺(さざい)の壺焼(つぼやき)やも出なかった...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...蠑螺(さゞえ)は鳴くといふではありませんか...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...雛の宵の蠑螺の忍びなきは涙ぢやありません...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...当時珍建築といわれた蠑螺堂はコワシ屋へ払いさげ...
山本笑月 「明治世相百話」
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