...弱蟲の俺を偉い者強い者の中に置くのは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...その間に時々蛇の声も交って『シュウシュウ』と鳴いて蟲の声に合せるのではないか……」彼はあの時の気分を追想するかのように想い沈んだ...
魯迅 井上紅梅訳 「鴨の喜劇」
...いつかの新聞にあらゆる蟲類を食ふ男の記事があつた...
竹久夢二 「砂がき」
...遠くから蟲おくり祭の太鼓の音がどんどんと響いて來たが...
太宰治 「思ひ出」
...鳥の真似、蟲の真似、獣の真似、人間の真似、―――啼(な)き声でも、身振でも、何でも真似る...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...蟲聲全く絶ゆ...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...白井は蟲干の手つだひをしながら...
永井荷風 「来訪者」
...カメレオンと簑蟲(みのむし)との對話といふレヲパルディ風のものを書いて見度くなる...
中島敦 「かめれおん日記」
...先生の顏附は何時も苦蟲(にがむし)を噛み潰したやうな顏です...
南部修太郎 「猫又先生」
...平次は疳(かん)の蟲がムカムカと首をもたげましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「あの番頭は蟲の好かない野郎ぢやありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蟲のやうに死んでゐたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蟲のやうに殺されては可哀想でなりません」この老人の顏には...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んとなく蟲食いの果物のような感じのする娘です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蟲のように殺されたのでは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蟲もないていたし...
林芙美子 「梟の大旅行」
...『三寸(ずん)ばかりぢや見窄(みすぼ)らしくッて不可(いけな)いわ』『それで結構(けつこう)さ!』と芋蟲(いもむし)は氣短(きみじ)かに云(い)つて...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...その高い脊蟲のやうな草葺屋根には新らしい苔が芽を吹いて緑色にかはりかゝつてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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