...北の國では蚊帳の釣手の獨り殘る頃にはもう機織蟲が壁に來て鳴く...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...寄生蟲と自分とを等位に置くことによつて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...臆病蟲(おくびょうむし)に憑(つ)かれたと云うものだ...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...ようまづなんち病氣(びやうき)は腹(はら)の蟲(むし)から出(で)んだから...
長塚節 「土」
...總領の富太郎は蟲(むし)の氣(け)がひどくなつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...正三郎」「これが御家の獅子(しし)身中の蟲で御座います...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蟲のやうに殺されてゐるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...忘れもしない暮の二十八日に二人は夫婦約束をしたんだ――それを蟲けらのやうに殺されて默つて居なきやならないと言ふのか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...穴(あな)を掘(ほ)つて蟲(むし)をとつたり...
濱田青陵 「博物館」
...『お前(まへ)それで滿足(まんぞく)かい?』と芋蟲(いもむし)...
レウィス、キァロル Lewis Carroll 丸山英觀訳 「愛ちやんの夢物語」
...蟲の音が滿山をこめて幼稚な詩情を誘つた...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
...青い胸あてをした人がジヨバンニのうしろを通りながら、「よう、蟲めがね君、お早う...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...その一つのあかりに黒い甲蟲がとまつて...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...」「蝎つて、蟲だらう...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...それから裏庭の泥の中からみゝずや地蟲を引きずり出して食べた...
村山槐多 「悪魔の舌」
...どこか昆蟲のやうに動く二本のさはり角のやうな針...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...蟲の聲と鹽ぱい海寄りの風を頬に受けて坐つた...
室生犀星 「神のない子」
...横濱ドツクや棧橋附近に蝟集するカンカン蟲の大群は...
吉川英治 「折々の記」
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