...蟋蟀はここでも、書斎でも、変りなく秋を鳴きつくしてゐる...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...番(つが)い離れぬ一対の蟋蟀(きりぎりす)...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...蟋蟀(こほろぎ)も來(こ)ぬ爐のそばで...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...それが髯を生やした蟋蟀(こおろぎ)であろうと...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...平地木やら原配の蟋蟀(しっしゅつ)やらをうろうろ捜し廻っている自分の悲惨な姿であった...
太宰治 「惜別」
...モウ蟋蟀ノ鳴ク季節デハアルケレドモ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...何処カラカ部屋ノ中ニ蟋蟀ガ紛レ込ンダノダロウカ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...蟋蟀(こおろぎ)が竈(かまど)の中で鳴いている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...蟋蟀(こおろぎ)の鋭い顫音(トレモロ)は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...初めて聞く蟋蟀の鳴音はオシイツク/\と同じやうに...
永井荷風 「蟲の聲」
...いつどこから来たとも知れない蟋蟀(きりぎりす)がたった一つ...
夏目漱石 「思い出す事など」
...ポンプに凭(もた)れたままさっきの蟋蟀のことを思い浮べていた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...豈蟷螂の蟋蟀を侮り寒氷の泡沫を笑ふに異ならんや...
正岡子規 「読書弁」
...七秋の蟋蟀(こおろぎ)の「肩させ裾(すそ)刺せ...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...五月の末に室内に蟋蟀が啼いてゐたのは...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...そして蟋蟀は、いつものやうに彼等のために銀の音色で歌ふ事をやめなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...その蟋蟀が戸板のような羽根を擦り合わせ...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...そして蟋蟀が鳴き...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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