...キヤツ/\と騒ぎ乍ら流れる螢を追つてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...其拍子に螢は飛んだ...
石川啄木 「鳥影」
...蚊帳の裾に吸ひついてゐる一匹の螢を團扇でばさばさ追ひたてながら默つてゐた...
太宰治 「思ひ出」
...螢光燈ランプが輝いたりするのも...
谷崎潤一郎 「鍵」
...・朝風すゞしく爪(ツメ)でもきらう・なにかさみしい茅花が穂に出て・草しげるそこは死人を焼くところ蜘蛛が蠅をとらへたよろこびの晴れからつゆやうやく芽ぶいたしようがたま/\人が来てほゝづき草を持つていつたま昼青い葉が落ちる柿の葉・ぢつとしてをればかなぶんがきてさわぐ・けふもいちにち誰も来なかつた螢六月廿七日梅雨模様で降りだしたが...
種田山頭火 「行乞記」
...そして私はこの籠の中の螢を三晩樂しんで眺める...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...女郎花(おみなえし)、地楡(われもこう)、水引、螢草、うつぼ草、黄碧紫紅(こうへきしこう)入り乱れて、あばら家も為に風情(ふぜい)を添えた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...恰(ちょうど)飛んで居た螢を捉(つかま)えて時計にのせて時間を見た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
......
長塚節 「長塚節歌集 上」
...所謂學問は螢雪の功を積まねばならぬ...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...螢草垣根の外に来ては泣く故郷(ふるさと)の恋しい唄に聞きほれて垣根の外に来ては泣く下野(しもつけ)の機場(はたば)にしぼむ螢草(ほたるぐさ)垣根の外に故郷の恋しい唄を聞いて泣く...
野口雨情 「別後」
...螢籠をぶらさげて...
三島霜川 「水郷」
...螢も急に少(すくな)くなツて...
三島霜川 「水郷」
...それで螢の光で其處(そこ)らが薄月夜のやうに明いのであツた...
三島霜川 「水郷」
...私ははじめてあんな冴えた大きい螢の光りをみたし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...涙ぐましい「螢の光」……...
夢野久作 「少女地獄」
...――そこへ拙者も留守を頼まれて欣(うれ)しい看護(みとり)をしていた時、其女は、この平四郎に何というたか』『その事は覚えていますが……そんな言葉は忘れました』『忘れた?』と、早口にたたみかけて、『――では、その夏、荒川の堤へ、螢狩りに行って、あの帰るさ、闇路(やみじ)を戻りながらの言葉は』『みんなして、笑いさざめきながら、冗談を云い合って帰りました』『何! 冗談だと? ……...
吉川英治 「夏虫行燈」
...私は麦藁(むぎわら)で螢籠(ほたるかご)を編んで居り升(まし)たから...
若松賤子 「黄金機会」
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