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芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...女児等(こどもら)が夢中になつて螢を追つてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...二人の目は期せずして其一疋の螢の後を追うた...
石川啄木 「鳥影」
...」――城下優しい大川の土手の……松に添う片側町(かたかわまち)の裏へ入ると廃敗した潰れ屋のあとが町中に、棄苗(すてなえ)の水田(みずた)になった、その田の名には称(とな)えないが、其処をこだまの小路という、小玉というのの家跡か、白昼も寂然(しん)としていて訝(こだま)をするか、濁って呼ぶから女の名ではあるまいが、おなじ名のきれいな、あわれな婦(おんな)がここで自殺をしたと伝えて、のちのちの今も尚(な)お、その手提灯が闇夜に往来をするといった、螢がまた、ここに不思議に夥多(おびただ)しい...
泉鏡花 「遺稿」
...螢の水にあるが如し...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...黙壺君と同道して再び螻子居へ、そして三人で澄太君へ、とぶ螢、それをとらへるみんなのすがた、私は酔うて、たゞもう愉快であつた...
種田山頭火 「旅日記」
...まっ暗な闇(やみ)の中に広げられた天鵞絨(びろうど)が不思議な緑色の螢光(けいこう)を放っているように見える...
寺田寅彦 「芝刈り」
...(「螢光板」への追記) 前項「灸治」について高松(たかまつ)高等商業学校の大泉行雄(おおいずみゆきお)氏から書信で...
寺田寅彦 「自由画稿」
...螢飛びかふ夕まぐれすゞ風そよぐ夜半の空流れ流るゝ谷川の水の響はたえねども水の行くへは替れども覺めずやあはれなが胸に燃ゆる思の夏の夢...
土井晩翠 「天地有情」
...あの螢(ほたる)の名所で...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...螢光燈のまたたきのような美しい幻をみることは...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...相済みません」「明日は螢沢まで俺が行ってみよう」「ヘエ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...急がうぜ」螢澤(ほたるざは)の鈴川家に着いたのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
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林芙美子 「新版 放浪記」
...私は螢を捕(つかま)へに行くのでは無いのです...
三島霜川 「水郷」
...第九回篠原勤は英国ケンブリジの学校に螢雪(けいせつ)の功を積み...
三宅花圃 「藪の鶯」
...海螢の光で明るくなる面積は...
武者金吉 「地震なまず」
...彼女の顔へ吹き上げられてくる螢も...
吉川英治 「江戸三国志」
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