...そこに行くとあまり融通のきかない監督では物足らない風で...
有島武郎 「親子」
...農場という仕事はうそですね」「お前は全体本当のことがこの世の中にあるとでも思っとるのか」父は息子の融通のきかないのにも呆(あき)れるというようにそっぽを向いてしまった...
有島武郎 「親子」
...融通のきかないのをいいことにして仙人(せんにん)ぶってるおまえたちとは少し違うんだから...
有島武郎 「ドモ又の死」
...融通のきかない県の役人は...
犬田卯 「瘤」
...彼の作品は、それだけの設計があればこそ、燦然として光を放つが、設計しないと、まったく筆が執れないという、よく言えば良心的、悪く言えば、融通のきかない、頑固でぶきっちょな性格を彼はもっているわけだ...
大下宇陀児 「乱歩分析」
...融通のきかない人物としてしまうことが往々ある...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...極めて融通のきかない所を誇りとして居る...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...僕のような融通のきかない学究がこういう雑誌に書くということは...
津田左右吉 「陳言套語」
...他の仕事には余り融通のきかない性質のものだからな...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...頑固で何につけても融通のきかない石田老巡査だけが...
戸田豊子 「鋳物工場」
...いたって融通のきかない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...Hは融通のきかないピアニストであった上...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...何處か融通のきかないところがありさうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二枚の手札門番の老人は頑固一徹で融通のきかない人間でしたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...朝霞の兄弟と泰文の弟の権僧正光覚(ごんのそうじょうこうかく)は融通のきかない武骨者ぞろいで...
久生十蘭 「無月物語」
...専門家の師匠というものは自身の芸には偉くても融通のきかないものだから」などとお命じになるなつかしい味のある院の御様子をうれしく拝しながらもまた衛門督は恥ずかしく...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人とつきあう場合融通のきかない不愉快な人間になってしまう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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