...融けるような鼈甲色(べっこういろ)の光沢を帯びて...
芥川龍之介 「女体」
...摩擦して融けると氷点よりも二度以上も高い温度になってしまいました...
石原純 「ヘルムホルツ」
...急に気温は騰るわ、雪は融けるわ、その水蒸気のせいで湿度百パーセント、なんという蒸し暑さでしょう」「なるほどなるほど、宰相閣下が氷の塊を心臓の上におのせになるのも無理ではない」といっているとき、部屋の中からは、一人の役人が、頭から湯気(ゆげ)を立てて、まるで茹(う)で蛸(だこ)のような真赤な顔で飛び出してきた...
海野十三 「地軸作戦」
...彼の軍隊は融けるように減少した...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...あたかも室内の暗黒が一箇の甘い塊になって舌の先で融けるのを感じ...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...秋を味ふ、秋の心に融ける...
種田山頭火 「其中日記」
...疲労と安心と喜悦とがこゝろよく酒に融ける...
種田山頭火 「其中日記」
...そこでじくじく融けるのであった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...牛乳が水に融ける程度に...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...さば雲もろとも融けること...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...結晶間の境界がまず融けるので...
中谷宇吉郎 「アラスカの氷河」
...融けることは滅多にないが...
中谷宇吉郎 「ウィネッカの冬」
...融ける氷河近代になって...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...下の凍土が融ける心配がある点である...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...春先こういう凍土が太陽の輻射熱によって上面から融ける時に...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...まるで雪の融けるやうに...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...こういう風にゼラチンで寄せたものは型から抜き出す時熱湯へちょいと漬けて型のブリキを温めてちょいと振って直ぐに抜くのだが長く温めると中の物が融ける...
村井弦斎 「食道楽」
...雪が融けると、また濁流に荒らされてしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
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