...彼に對して惡意と反感とを抱くものよりも彼と融會の機縁が多い筈である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...一つは第四階級に投じて融け込もうと勉(つと)めるか...
有島武郎 「想片」
...唾に濡した小指で其紅を融かし始めて二度三度薄からぬ唇へ塗りつけた...
石川啄木 「葬列」
...『今日は餘程(よつぽど)道が融けましたねす...
石川啄木 「病院の窓」
...君の疑惑がすぐ融けるとは思わない...
海野十三 「宇宙尖兵」
...融け込む人と融かし込む人...
種田山頭火 「其中日記」
...国から資本を融通して...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...牛乳が水に融ける程度に...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...この大衆の「知恵」のどまんなかに融け込んでいかなければならないのである...
中井正一 「大衆の知恵」
...郡宰としての先生の治績には、父老会飲、賞罰の厳明の如き徳育風教の振興は勿論、社会法の徹底、均田法の施行、毛減課、製鉄資金の融通、製紙座法の改弊、柿、楮、煙草、麻、牧馬牛の奨励等による産業助長の如きがある...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...下の凍土が融ける心配がある点である...
中谷宇吉郎 「白い月の世界」
...どのように弄(いじ)っていても融(と)ける心配はないので...
中谷宇吉郎 「雪の十勝」
...九十三面と向って夫としっくり融け合う事の出来ない時...
夏目漱石 「道草」
...少し融通しようか」「あら...
野村胡堂 「女記者の役割」
...自分などは是をDR二つの子音の通融(つうゆう)...
柳田国男 「海上の道」
...孔融はいつ退出したか...
吉川英治 「三国志」
...恐らくは万古不融(ばんこふゆう)の雪にして混々(こん/\)として利根水量を多(おう)からしむるの大原因たるべし...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
...天人の体が水煙と融け合った微妙な装飾文様は...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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