...蝶々なぞと言うしろものにあらず...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...蝶々の羽で三味線(さみせん)の胴をうつかと思われつつ...
泉鏡花 「婦系図」
...田村軍曹に蝶々二十匹位分捕(ぶんどり)されて泣いたこともあった...
伊波普猷 「私の子供時分」
...こんどのシャツには蝶々の翅(はね)のような大きい襟(えり)がついていて...
太宰治 「おしゃれ童子」
...車輪の廻転するまゝに揺られ揺られる瑶珞(ようらく)のような花束を慕って二人の周囲には間断なく蝶々の群が舞い集い...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...・山はひそかな朝の雨ふるくちなしの花・子供が駈けてきて筍(カツポウ)によきりと抜いたぞ赤い花や白い花や梅雨あがり降つて降つていつせいに田植はじまつた・花さげてくる蝶々ついてくる石鴨荘即事草山のしたしさは鶯のなくしきり(改作再録)・酔へばはだしで歩けばふるさと・さみだるるやはだしになりたい子がはだしとなつて・なんとよい月のきりぎりす・はだかで筍ほきとぬく・竹にしたい竹の子がうれしい雨六月廿七日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...黄色い蝶々(てふてふ)が舞つてゐた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...長い紐(ひも)を蝶々のように背中で結んで...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「蝶々牡丹のお京」は...
火野葦平 「花と龍」
...別段私は痛痒も感ずる筈もなく獲り逃した蝶々の方が遥かに悩ましい夢であつた...
牧野信一 「るい」
...例へば胡蝶の題にて寐る胡蝶羽に墨つけん縁の先坡仄(はそく)飛びかふて初手(しょて)の蝶々紛(まぎ)れけり嘯山(しょうざん)とやさしく美しく趣向をつけるも固(もと)より善けれど...
正岡子規 「俳諧大要」
...日本の蝶々さんを描いた「お蝶夫人」をあなたがやるのは...
三浦環 「お蝶夫人」
...自惚れと自尊心のために蝶々さんの性格を現わすことを忘れている欠点がないばかりか...
三浦環 「お蝶夫人」
...ピンカートンは蝶々さんを残して遠く海に去ってしまいました...
三浦環 「お蝶夫人」
...その上に飛んでいる三ツの蝶々は...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...だから彼の早熟な性の穂に奇縁の蝶々がとまったのもわずか二度ほどな前例しかない...
吉川英治 「私本太平記」
...あれよ」「あの蝶々を...
吉川英治 「新書太閤記」
...きれいな蝶々だろう」かれは...
吉川英治 「新書太閤記」
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