...蝮(まむし)を拵(こしら)えねばならぬほど...
泉鏡花 「悪獣篇」
...蝮が、其の牙でかゝつて来る時には、毒の嚢はその中にある毒液を歯の穴の中に出す...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...蝮が人を襲のはたゞ自分を護る時だけだ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...「蝮(まむし)の卵だ」と言い張った...
太宰治 「斜陽」
...小さい子供の指を詰めた蝮(まむし)の皮...
太宰治 「ろまん燈籠」
...先日川端の湯樋(ゆどい)を見に往って蝮(まむし)に噛まれたと云って...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...なめくじは蛇の属であるところの蝮を穴に追い込む道具で...
中里介山 「大菩薩峠」
...蝮と言われた男だから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何んと下谷淺草一圓に蝮(まむし)のやうに嫌はれて居る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蝮(まむし)のお源といふんださうですよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「蝮一(まむしいち)」を殺したときのように...
火野葦平 「花と龍」
...やはり同じやうに寢ころびながら讀んでゐたモオリアックの「蝮のとぐろ」の幾つかの情景が...
堀辰雄 「夏の手紙」
...二人の他にも、役人の眼を怖れて洞窟に逃げ込む連中には、やはり、猪とか、山犬とか、荒熊とか、モモンガアとか、蝮とか、禿鷹とかいふやうな動物の名で称ばれてゐる、それはもうたしかに土人と云ふより他に見様のない人物が居たが、僕は屡々彼等と共に酒盃を挙げたり、村里に繰り込んで彼等の鞘当喧嘩の仲裁をしたり、また、山小屋の囲炉裡の傍らで開帳される博打の車座に加はつて、勝利を得たこともあるが、一度だつて危害を加へられたこともなかつたし、また僕の見たところに依ると、寧ろ彼等は独特の人情に厚かつた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...フランシスコ・コルムナのポリフィルスの題号画中の竜と蝮と相討ちの図だが...
南方熊楠 「十二支考」
...蝮蛇咬むをさまで感ぜぬ人蜈蚣に咬まるれば非常に苦しむと伝う...
南方熊楠 「十二支考」
...奥州では野猪の歌を唱えて蝮蛇(まむし)の害を防ぐとか...
南方熊楠 「十二支考」
...田辺近村で今も蝮に咬まれた所へ柿また柿の渋汁を塗る...
南方熊楠 「十二支考」
...蝮の八兵衛のほうへ振向いた...
山本周五郎 「風流太平記」
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