...主立つ者は二人――一人はT市の壁蝨(だに)というべき...
海野十三 「深夜の市長」
...赤耀館の壁体は血を吸いこんだ壁蝨(だに)のように真中から膨(ふく)れて来る」とか言われている...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...一匹の黒蟻と牛蝨(だに)が並んで死んでいた...
田中貢太郎 「庭の怪」
...其行來渡海詣中國、恆使一人不梳頭、不去蝨、衣服垢汚、不食肉、不近婦人、如喪人、名之爲持衰、若行者吉善、共顧其生口財物、若有疾病、遭暴害、便欲殺之、謂其持衰不謹...
陳壽 「魏志倭人傳」
...蛇には壁蝨(だに)が一面に取りついていた...
寺田寅彦 「柿の種」
...不レ去二蝨一...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...老眼今なほ燈下に毛蝨(けじらみ)を捫(ひね)つて当世の事を談ずるの気概あり...
永井荷風 「桑中喜語」
...文字を覚えてから急に蝨(しらみ)を捕(と)るのが下手(へた)になった者...
中島敦 「文字禍」
...すると運悪くその胴着に蝨(しらみ)がたかりました...
夏目漱石 「こころ」
...人間の脳の襞を無数の蝨(しらみ)が喰ひ荒らしてゆく幻想をとりあげてゐるのだが……」と...
原民喜 「二つの死」
...指の股には壁蝨(だに)が食いこみ...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...なぜ死期(しご)の近い病人の体を蝨(しらみ)が離れるように...
森鴎外 「百物語」
...蝨(しらみ)等はたはやすくぞ蛻(もぬ)け出づる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...世の礼法君子は蝨(しらみ)の褌に処する如しと曰ひし阮籍も蓋(けだ)し斯の如きに過ぎざりしなるべし...
山路愛山 「唯心的、凡神的傾向に就て(承前)」
...蝨(しらみ)だらけ蚤(のみ)だらけである...
山本周五郎 「青べか物語」
...今度は身体(からだ)中に蝨(だに)がウジャウジャとタカリ初める...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...蝨斯(ばつた)科の虫で身長二寸五分許(ばか)り...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...之に寄生せる蝨(むし)の這(は)ひ来れるなり...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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