...それを彼等の門前に蝟集して利益のこぼれに預からむとする書生並に取扱つてゐやがるのは何と云ふ不心得だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その銅鑼(どら)のぶら下げてある弁天島のまわりを押すな押すなと蝟集して...
海野十三 「軍用鮫」
...ずいぶんたくさんの男が蝟集(いしゅう)した...
太宰治 「火の鳥」
...私は上海に蝟集してる大衆の一面を...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...物見(ものみ)高くも東洋人の周囲に蝟集(いしゅう)し...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...滞阪二日間は俗事蝟集殆ど息も吐けなかつた...
二葉亭四迷 「旅日記」
...それを知らないモッブは全市から蝟集して来て...
牧逸馬 「双面獣」
...多くの青年は、東都の華やかな文壇に憧れて、遥々と蝟集した...
牧野信一 「貧しき日録」
...これは心臓に虫が蝟集してゐる犬には恐ろしい病気かも知れない...
室生犀星 「鉄の死」
...青年子女蝟集してその手を握るを光栄とした...
山本実彦 「十五年」
...横濱ドツクや棧橋附近に蝟集するカンカン蟲の大群は...
吉川英治 「折々の記」
...全市のかんかん虫は煙のように高い煉瓦塀の下に蝟集(いしゅう)する...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...たちまち蝟集(いしゅう)して彼をとり巻いた...
吉川英治 「三国志」
...ただ蝟集(いしゅう)していたに過ぎない全兵員が...
吉川英治 「新書太閤記」
...市民は朝から夕べまで蝟集(いしゅう)した...
吉川英治 「新書太閤記」
...霞むばかり蝟集(いしゅう)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...蝟集(いしゅう)する顕官の輦(くるま)から...
吉川英治 「親鸞」
...白首女の蝟集(いしゅう)する裏町へ行って...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
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