...――一 無言に終始した益軒の侮蔑は如何に辛辣(しんらつ)を極めてゐたか!二 書生の恥ぢるのを欣(よろこ)んだ同船の客の喝采は如何に俗悪を極めてゐたか!三 益軒の知らぬ新時代の精神は年少の書生の放論の中にも如何に溌剌と鼓動してゐたか!或弁護或新時代の評論家は「蝟集(ゐしふ)する」と云ふ意味に「門前雀羅(じやくら)を張る」の成語を用ひた...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...――一 無言に終始した益軒の侮蔑(ぶべつ)は如何に辛辣(しんらつ)を極めていたか!二 書生の恥じるのを欣(よろこ)んだ同船の客の喝采(かっさい)は如何に俗悪を極めていたか!三 益軒の知らぬ新時代の精神は年少の書生の放論の中にも如何に溌溂(はつらつ)と鼓動していたか!或弁護或新時代の評論家は「蝟集(いしゅう)する」と云う意味に「門前雀羅(じゃくら)を張る」の成語を用いた...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...それを彼等の門前に蝟集して利益のこぼれに預からむとする書生並に取扱つてゐやがるのは何と云ふ不心得だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...其他(そのた)天災(てんさい)人害(じんがい)蝟集(ゐしふ)し來(きた)り...
關寛 「命の鍛錬」
...ずいぶんたくさんの男が蝟集(いしゅう)した...
太宰治 「火の鳥」
...徒らに蝟集している観さえある...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...ここには避難者がぞくぞく蝟集(いしゅう)していた...
原民喜 「夏の花」
...雲霞(うんか)のごとく蝟集する中をよろめき歩く貸椅子屋の老婆...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...やがて蜘蛛のやうに蝟集した口さがなき人々にとりかこまれて...
牧野信一 「夜見の巻」
...病客も亦蝟集(ゐしふ)したさうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...灯を消して蝟集(いしゅう)しているモーターボートの首を連ねて...
横光利一 「上海」
...捕手の影が一団に蝟集(いしゅう)したので...
吉川英治 「江戸三国志」
...たちまち蝟集(いしゅう)して...
吉川英治 「大岡越前」
...たちどころにその病巣の患部に向つて白血球が蝟集して...
吉川英治 「折々の記」
...蒸(む)されるばかりに蝟集(いしゅう)していた...
吉川英治 「三国志」
...一ヵ所に蝟集(いしゅう)した...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ蝟集(いしゅう)していたに過ぎない全兵員が...
吉川英治 「新書太閤記」
...結局はかくのごとく一か所に蝟集(いしゅう)してかくのごとき都会を築造した人間の愚に突き当たるであろう...
和辻哲郎 「地異印象記」
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