...――一 無言に終始した益軒の侮蔑(ぶべつ)は如何に辛辣(しんらつ)を極めていたか!二 書生の恥じるのを欣(よろこ)んだ同船の客の喝采(かっさい)は如何に俗悪を極めていたか!三 益軒の知らぬ新時代の精神は年少の書生の放論の中にも如何に溌溂(はつらつ)と鼓動していたか!或弁護或新時代の評論家は「蝟集(いしゅう)する」と云う意味に「門前雀羅(じゃくら)を張る」の成語を用いた...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...それを彼等の門前に蝟集して利益のこぼれに預からむとする書生並に取扱つてゐやがるのは何と云ふ不心得だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...其處には多くの困難な問題が蝟集して來る...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...この地域に蝟集するバラツク建てのノミ屋とパチンコ屋に...
大下宇陀児 「擬似新年」
...其他(そのた)天災(てんさい)人害(じんがい)蝟集(ゐしふ)し來(きた)り...
關寛 「命の鍛錬」
...私のまはりに蝟集した...
富永太郎 「鳥獣剥製所」
...刻々に大きくなってゆく黙々たる軍隊の蝟集(いしゅう)など...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...七十六 この室に蝟集している人々が即(すなわ)ち全人類の僅(わず)かなる遺族なんだ...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...彼らの旗幟の下に自ら望める追随者を蝟集(いしゅう)せしめた原因は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...恰で蝟(はりねずみ)のやうさな...
三島霜川 「平民の娘」
...病客も亦蝟集(ゐしふ)したさうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...エドムは荒れ果ててペリカンと刺蝟(はりねずみ)と野犬と狼と妖怪の棲処(すみか)になる...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...勤勉な真黒い昆虫たちが蝟集(いしゅう)している...
山川方夫 「非情な男」
...灯を消して蝟集(いしゅう)しているモーターボートの首を連ねて...
横光利一 「上海」
...蝟集(いしゅう)してぬかずいていたということである...
吉川英治 「三国志」
...霞むばかり蝟集(いしゅう)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...蝟集(いしゅう)した...
吉川英治 「新書太閤記」
...人が蝟集(いしゅう)していた...
吉川英治 「親鸞」
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