...材木を蝕ふがために白蟻を燒くとは何ぞ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...そこいらの岩道は草鞋の腐蝕した堆積によつて黒く柔かくじめじめとなつて居た...
安倍能成 「初旅の残像」
...これは海岸から持って来た、丸い、腐蝕された石を、白いしっくいの中に置き、注意深く平にしたもので、上には屋根瓦がのせてある...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...虫蝕(むしくい)と...
泉鏡花 「婦系図」
...「レビヤタン」は日月蝕を起す怪獣であって「レビヤタンを激発(ふりおこ)すに巧なる者」はこの怪獣をして日月蝕を起さしむる魔術者のことである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...胎児と子宮壁とをつないでいる部分の軟(やわらか)い皮が腐蝕して脱落し...
海野十三 「振動魔」
...夕方雷雨月蝕(げっしょく)雨で見えず...
寺田寅彦 「震災日記より」
...彼の心を執拗(むやみ)に蝕ばむのである...
平林初之輔 「犠牲者」
...木地を蝕する力に乏しい...
二葉亭四迷 「平凡」
...文字通り蝕まれた青春を迎へたのである...
北條民雄 「柊の垣のうちから」
...漸時に脳髄を蝕まれて...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...いずれもそれは地盤の一種の浸蝕現象でございまして...
三澤勝衛 「自力更生より自然力更生へ」
...またお房に藝術的良心(りやうしん)を腐蝕(ふしよく)させられるやうにも感ずる...
三島霜川 「平民の娘」
...天の知恵の権利を侵蝕してまで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...何か隠れた感情が心の内部を蝕んでいるためであるとした...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不幸な蝕(むしば)みを芯に持ちながら...
吉川英治 「大岡越前」
...破損や虫蝕(むしく)いなどのしらべにかかった...
吉川英治 「私本太平記」
...虫の蝕(つ)いた古株を截(き)って...
吉川英治 「宮本武蔵」
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