例文・使い方一覧でみる「蜩」の意味
スポンサーリンク...渚には打ち寄せる浪の音のほかに時々澄み渡った蜩（ひぐらし）の声も僕等の耳へ伝わって来た... 
芥川龍之介 「海のほとり」
...蔭つた庭の植込に蜩（ひぐらし）が鳴き出した...
石川啄木 「鳥影」
...おれは又あの蜩の鳴くのが好きさ...
伊藤左千夫 「姪子」
...私たちは蜩の聲をあとに...
心猿 「露伴忌」
...米 一升二合朝月暈をきてゐる今日は逢へる朝風へ蝉の子見えなくなつた朝月にしたしく水車ならべてふむ・水が米つく青葉ふかくもアンテナ夾竹桃赤く女はみごもつてゐた合歓の花おもひでが夢のやうに・柳があつて柳屋といふ涼しい風汗はしたゝる鉄鉢をさゝげ見まはせば山苺の三つ四つはあり・鉄鉢の暑さをいたゞく・蜩よ...
種田山頭火 「行乞記」
...△蜩が鳴いた、しつかり鳴いてくれ...
種田山頭火 「其中日記」
...久しぶりに蜩を聴いた...
種田山頭火 「其中日記」
...樹々の間から洩れて来る斜陽、蜩の声、ねぐらにかえる鳥の姿、近くの牧場からきこえてくる山羊の声――私はひとり丘の上に彳立んで、これらの情趣を心ゆくまで味わったのでした...
辻潤 「書斎」
...庭続きの崖（がけ）の方の木立ちに蜩（かなかな）が啼（な）いていた...
徳田秋声 「足迹」
...キリンキリン！」蜩（ひぐらし）がまた一声鳴いた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
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内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...いつに変らぬ残暑の西日に蜩（ひぐらし）の声のみあわただしく夜になった...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...衰へたる日影の蚤（はや）くも舂（うすつ）きて蜩（ひぐらし）の啼（な）きしきる声一際（ひときわ）耳につき...
永井荷風 「礫川※［＃「彳＋淌のつくり」、第3水準1-84-33］※［＃「彳＋羊」、第3水準1-84-32］記」
...蜩（ひぐらし）のこえ...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...消え失せんとしては純金の蜩（かなかな）の声を松の梢に聴いた...
室生犀星 「愛の詩集」
...昏（く）れがたのかなしげな蜩（ひぐらし）ぜみの声を聞きとめて...
山本周五郎 「日本婦道記」
...蜩（ひぐらし）が啼いていた...
吉川英治 「平の将門」
...蜩（ひぐらし）の声を仰ぐと細い月がその梢（こずえ）に忍び寄っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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