...蜆汁(しじみじる)がおいしかった...
太宰治 「水仙」
...蜆汁は、ただその汁だけを飲むものらしい...
太宰治 「水仙」
...―――蜆汁(しじみじる)を毎日飲むといいですな」そんな風に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...蜆汁飲んだらええことは知ってますけど」「どっちにしてもお金のかからない病気ね」と...
谷崎潤一郎 「細雪」
...名物の蜆汁(しじみじる)だの看板の芋の煮ころがしに...
徳田秋声 「仮装人物」
...向嶋にてこのたぐひの茶屋といへば入金(いりきん)の繁昌(はんじょう)久しきものにして蜆汁(しじみじる)の味またいつまでも変らぬこそ目出度(めでた)けれ...
永井荷風 「桑中喜語」
...僕大正八年の春築地より雪見に誘はれて立寄りし事ありしが蜆汁の味十年のむかしに変らず玉子焼も至極暖なりし故床(とこ)の間(ま)に掛けたりし柴田是真(しばたぜしん)が蜆の茶懸(ちゃがけ)も目に残りて今に忘れやらず...
永井荷風 「桑中喜語」
...入金亭に至り蜆汁にて夕餉を食す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...女中が持運ぶ蜆汁(しじみじる)と夜蒔(よまき)の胡瓜(きゅうり)の酸(す)の物秋茄子(あきなす)のしぎ焼などを肴(さかな)にして...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...蜆汁の中に長い長い女の髪の毛がはいつているのには神経の太い谷村さんも...
林芙美子 「清修館挿話」
...箸を持つた手でそツと蜆汁の中から引き上げて見ました...
林芙美子 「清修館挿話」
...「あれです」谷村さんは蜆汁の事を考えて...
林芙美子 「清修館挿話」
...どうも蜆汁の中から出た髪の毛とは質が違つていて...
林芙美子 「清修館挿話」
...今日の昼食も蜆汁になりそうだの...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...三八が蜆汁(しじみじる)と云うようになって居て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...馬鍋と名物の蜆汁や里芋で食べて...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...名主丑藏方にて初めて蜆汁をふるまはれ...
横瀬夜雨 「春」
...蜆汁(しじみじる)の椀(わん)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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