...ちょうど美しい蛾(が)の飛び交うように...
芥川龍之介 「妖婆」
...夕闇がもたれかかった障子に蛾(が)が一匹音を立てた...
梅崎春生 「風宴」
...虫針に刺された標本箱の蛾のように板壁へ釘づけにされた安吉へ...
大阪圭吉 「動かぬ鯨群」
...「蛾さ、蝶ぢやないよ、」三人の客の相手をしてゐたお菊さんは、汚いその蛾を捕るつもりで手を頭の上で振つた...
田中貢太郎 「蛾」
...」蛾はひらひらと綺麗な顔の客のさしのべた手に入つて来た...
田中貢太郎 「蛾」
...蛾(ちょう)とふたり逢ふや出で湯のさざれ波夕べは早く来る...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...蛾(が)やかなぶんぶんが飛んで来る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...暗い燈火に河からは羽蟲や蛾が澤山飛びこんで來た...
林芙美子 「旅人」
...千蛾の霊をとむらう鐘がものさびしく鳴っていた昼のこと...
吉川英治 「江戸三国志」
...そのかわりおれになにをくれる」と蛾次郎はずるい目を光らした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...暗闇(くらやみ)から牛をひきだしたという諺(ことわざ)どおり蛾次郎のうろたえよう...
吉川英治 「神州天馬侠」
...おおせのとおり蛾次郎という者...
吉川英治 「神州天馬侠」
...どこまで盲(めくら)の態(てい)をみせて蛾次郎(がじろう)にゆだんをさせ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ヒョイと見うしなった蛾次郎(がじろう)のすがたを血眼(ちまなこ)で...
吉川英治 「神州天馬侠」
...蛾次郎(がじろう)の分はじぶんが持って...
吉川英治 「神州天馬侠」
...追(お)いつめられた手長猿(てながざる)のように、蛾次郎のほうは、だんだん危険(きけん)な枝へはいうつって、いくら竹童でも、もうここまではこられまいと安心していたが、ふいに、竹童の体重(たいじゅう)がおなじ枝へのしかかったとたんに――生木(なまき)の股(また)に虫蝕折(むしお)れでもしかけていたのだろうか、ボキッと、あまりにもろい音がした...
吉川英治 「神州天馬侠」
...あのおしゃべりの蛾次郎も...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その丘子の内股に彫られたという蛾が...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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