...蛸遁(たこに)げで...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...まるで茹(う)で蛸(だこ)のような真赤な顔で飛び出してきた...
海野十三 「地軸作戦」
...もう一人……蛸(たこ)のようにツルツルでグニャグニャの...
大阪圭吉 「灯台鬼」
...まことの臆病者の丹三郎は、口ではあんな偉そうな事を言ったものの、蛸め、つづけ! と若殿に言われた時には、くらくらと眩暈(めまい)がして、こりゃもうどうしようと、うろうろしたが、式部が若殿をいさめてくれたので、ほっとして、真青な顔に奇妙な笑いを無理に浮べ、「ちえ、残念...
太宰治 「新釈諸国噺」
...それと見て人びとは隠坊に加勢して、蛸を撲殺し、更めて薪を加えて蛸もいっしょに焼いたが、今度はすぐ焼けてしまった...
田中貢太郎 「妖蛸」
...蛸が蛸壺からちょっと覗き出し...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...蛸ちゃんが授業を受けていた講堂の焼け跡に来る...
永井隆 「長崎の鐘」
...蛸樹の葉と椰子の葉とで以てそれを覆えば...
中島敦 「環礁」
...椰子と蛸樹と麺麭(パン)樹とがギッシリ密生している...
中島敦 「環礁」
...その周圍を蛸樹(たこ)やレモンや麺麭(パン)樹やウカル等の雜木の防風木が取卷いてゐる...
中島敦 「環礁」
...大蛸には吸い付かれ...
中島敦 「南島譚」
...海盤車(ひとで)に襲いかかる大蛸(おおだこ)の様な猛烈さで...
中島敦 「南島譚」
...蛸市(たこいち)とか赤鬼とか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かくして蛸は、彼の身體全體を食ひつくしてしまつた...
萩原朔太郎 「宿命」
...蛸がゐるのかと思った...
原民喜 「冬晴れ」
...なんといっても蛸! である...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...譬喩の句は松に藤蛸木(たこき)にのぼるけしきあり 宗因もちに消ゆる氷砂糖か不尽(ふじ)の雪 同錦手や伊万里(いまり)の山の薄紅葉 同鴨の足は流れもあへぬ紅葉かな 同蓬莱(ほうらい)や麓(ふもと)の新田干鰯(ほしいわし)栄政(えいせい)呉竹(くれたけ)や大根おろし軒の雪 心色是は又水の月とる麩(ふ)売なり 未計の如き...
正岡子規 「古池の句の弁」
...例の『和漢三才図会』や『北越奇談』『甲子夜話』などにも蛇蛸に化る話あり...
南方熊楠 「十二支考」
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