...越後の雪中にも雪蛆(せつじよ)あり...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...印度人なぞは蛆虫(うじむし)同然にしか心得ていない大使館では我々が束になって騒ぎ立てても何らの痛痒(つうよう)も感じないであろうが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...蛆(うじ)などに食われていったことであろう...
田中英光 「さようなら」
...一面に蛆(うじ)がうごめいていた...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...虫の中でも人間に評判のよくないものの随一(ずいいち)は蛆(うじ)である...
寺田寅彦 「蛆の効用」
...社会の寄生虫とか蛆虫とか仰言いましたけれど...
豊島与志雄 「自由人」
...蛆(うじ)よりも象の方を大切だと考える権利がない...
夏目漱石 「創作家の態度」
...幸ひ寒さに向つて蛆(うじ)も湧かず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それは宵闇にさびしくふるへて影にそよぐ死(しに)びと草(ぐさ)のやうになまぐさくぞろぞろと蛆蟲の這ふ腐肉のやうに醜くかつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...私は蛆虫(うじむし)のような女ですからね...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私の躯に蛆が湧くのだ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...蛆が行列していたって...
林芙美子 「新版 放浪記」
...蛆(うじ)が降りかかって来そうだ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...自分の行動は蛆のやうに意気地のないものになつて行く...
北條民雄 「道化芝居」
...肺臓の堪えがたい圧迫――湿った土の息づまるような臭気――体にぴったりとまつわりつく屍衣(きょうかたびら)――狭い棺のかたい抱擁――絶対の夜の暗黒――圧しかぶさる海のような沈黙――眼には見えないが触知することのできる征服者蛆虫(うじむし)の出現――このようなことと...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「早すぎる埋葬」
...そこまで考え付かない奴が所謂オッチョコチョイの蛆虫(うじむし)野郎だ...
夢野久作 「近世快人伝」
...卑怯未練な蛆虫(うじむし)めらを...
吉川英治 「剣難女難」
...蛆(うじ)の棲家(すみか)の外だ――」と思って...
吉川英治 「親鸞」
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