...「この蚊針はね、」と令嬢は、金色の小さい蚊針を佐野君の釣糸に結びつけてやりながら呟く...
太宰治 「令嬢アユ」
...いくら頑丈でもたまらねえや」「うふふふふ」私は蚊帳の天井を見ているのでハッキリ分りませんでしたが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...風がふいて蚊もすくなかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...主婦は準備して来た蚊帳(かや)を苫(とま)の角に引懸(ひきか)けて低く吊つて...
田山花袋 「朝」
...蚊帳をまくる風しめっぽきも心悪からず...
寺田寅彦 「東上記」
...蚊に刺されるのを我慢しいしい...
豊島与志雄 「古井戸」
...小学生の寅彦が「母にねだって蚊帳の破れたので作って貰った」捕虫網を肩にして...
中谷宇吉郎 「寅彦の遺跡」
...私の指環の蚊の涙ほど...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...どうした事か洋燈(ランプ)がおちて蚊帳の天井が燃えあがった...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...うすら寒い秋の風が蚊帳の裾を吹いた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...たまらず蚊帳の中で食事...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...ファッツ聴きて我一たび杼を投げて七つの蚊を平らげた腕前で...
南方熊楠 「十二支考」
...一緒にいてもきっと言葉すくなく一つ心の四の瞳という工合にして蚊帖に射す稲妻の色を見ていることでしょうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一人(ひとり)わたしが蚊に食はれ書斎で黙つて物を書けば...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...秋まで残る蚊のこころ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...絽蚊帳(ろがや)...
吉川英治 「松のや露八」
...火光の中に蚊みたいに見えた...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??