...6秋になつて蚊帳を釣らなくなつた晩の廣さ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...石鹸一個と蚊帳ひとはりを受領した...
石川欣一 「比島投降記」
...魔の影はこの蚊帳の中にひそんでゐました...
石川三四郎 「浪」
...僕はさっきから蚊帳の中に寝ている君等を見ながらつくづく思ったんだ...
大杉栄 「獄中記」
...自分の這入る蚊帳を覗くと...
鈴木三重吉 「桑の実」
...どうかすると蚊(か)の啼くような微(かす)かな声になる...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...隣家のラヂオを蚊帳の中に寝ころんで聴く...
種田山頭火 「行乞記」
...蚊が、蠅がとても鋭くなった...
種田山頭火 「草と虫とそして」
...踊大(マヽ)皷がをちこちで鳴る、そこのお寺でも早くから鳴つてゐる、見物しようかとも思つたが、年寄のおつくうで、蚊帳の中で聴く、唄声も聞える、更けるにしたがつて音が冴えてくる、踊もはづむらしい...
種田山頭火 「其中日記」
...私が寝床にはいる前にそこらの蚊帳(かや)のすそなどに寝ているたまを捜して捕えて来て浴室のこの寝床に入れてやった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...南京虫(ナンキンむし)や蚤(のみ)蚊(か)に攻められながら...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...其頃は蚊帳を吊つて居た...
長塚節 「開業醫」
...小学生の寅彦が「母にねだって蚊帳の破れたので作って貰った」捕虫網を肩にして...
中谷宇吉郎 「寅彦の遺跡」
...自分は素直にまた蚊帳の中に這入って...
夏目漱石 「行人」
...四角な黒い火入(ひいれ)から蚊遣(かやり)の烟(けむり)が盛んに立つてゐる...
森鴎外 「金貨」
...「蚊という奴は憎い奴じゃのう...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...立っているうちに蚊は喰うし...
夢野久作 「ざんげの塔」
...蚊はあまりいなかったように思う...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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