...もう蚊帳を奪はれたと云つたでしよう...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...蚊帳の中の女の姿が浮上って来た...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...天井から蚊帳(かや)の様な薄絹が垂れて...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...秋、秋寒を感じる、蚊が少くなつた、夜は晴れて月がよかつた...
種田山頭火 「行乞記」
...加之(しかも)夥(おびただ)しい蚊(か)が真黒(まっくろ)にたかる...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...元へ戻りかけた話しも蚊遣火と共に吹き散らされてしもうた...
夏目漱石 「一夜」
...夜明から戸をあけて蚊帳(かや)は釣りっぱなしで寝ていると...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...ふはふは蚊帳の裾を波立たしてゐる...
林芙美子 「濡れた葦」
...私は四畳半の蚊帳をたゝむと...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...私の蚊帳にはいって来た...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...拂ふとすれど名物の蚊に首筋額ぎわしたゝか螫(さゝ)れ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...蚊帳吊りましょう...
火野葦平 「花と龍」
...やがて蚊の鳴くような痛みというか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...ただ蚊吸鳥(かすいどり)が松の枝からひくく身をのり出して侶(とも)をよぶあやしい物あわれな声がした...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...燻っている蚊燻しの傍で七つになるもらい娘のお六が...
正岡容 「寄席」
...そろそろ蚊屋(かや)を吊(つ)らなくちゃあ...
森鴎外 「雁」
...蚊遣(かや)り火を焚(た)きながら...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...蚊帳を這いだして...
吉川英治 「松のや露八」
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