...蚊遣(かやり)の煙の靡(なび)くもなき...
泉鏡花 「悪獣篇」
...これでも蚊帳なしという訳にはいかんよ...
伊藤左千夫 「浜菊」
...夏の夜は蚊が多かった...
魯迅 井上紅梅訳 「「吶喊」原序」
...蚊帳に美人と云ふと聞くからに艶かしい感じを起させるものですが...
上村松園 「螢」
...蚊帳をくゞるのと同じ要領で夜具の隙間へもぐり込んで来ると云ふ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...・朝風の青草食みつつ馬は尾をふる・日影ゆるゝは藪ふかく人のゐて・炎天の機械がうごく人がうごく(アスフアルトプラント)□ひらいてゆれてゐる鬼百合のほこり・朝からはだかで雑草の花糸瓜さいて垣からのぞく殺された蚊でぞんぶんに血を吸うた蚊で・風が吹きとほすまへもうしろも青葉七月廿日土用入...
種田山頭火 「行乞記」
...しかし蚊のほうは簡単である...
寺田寅彦 「試験管」
...蚊帳(かや)の外に立膝している庸三に感激的な言葉をささやくのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...早々(そうそう)蚊帳(かや)に逃(に)げ込(こ)むと...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...家に帰ると座敷の内には藪蚊がうなっていて...
永井荷風 「帝国劇場のオペラ」
...昼も蚊の鳴く植込(うえごみ)の蔭には...
永井荷風 「夏の町」
...夏になると蚊が出て困りますから」「主人が自分で掘ったんだね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...蚊は人間の死骸を刺さないよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...クエンスローにはアラスカ蚊と寂寥と饑餓という三つの化物がついている...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...ホラホラ鬼(オニ)(蚊のかえりかけ)とボーフラ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...蚊がうるさく顔へ来る...
森鴎外 「蛇」
...明りが消えたあとの蚊帳(かや)の波に...
吉川英治 「江戸三国志」
...一間の蚊帳(かや)の中に...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
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