...更に之を人事と聯關させて來ると蚊帳の齎す情調は隨分複雜に豐富になる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...2一つ蚊帳に寢ることは一つ部屋に寢ると云ふよりも遙かに對手との親しみを深くする...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...蚊帳の中に幽かな寢息をきく時の心持...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...顔が」「痺れるようでござりました」お岩はそう云いながら蚊帳の裾をめくって出て来た...
田中貢太郎 「南北の東海道四谷怪談」
...頻(しきり)にゆらぐ蚊帳の中途に飛びついたまま光った腹を行燈の灯に照らされている...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...伯母さんは「ぽつぽどりは悪い鳥でひと声に蚊を千匹つ吐くげな...
中勘助 「銀の匙」
...よし蚊がいたからといって...
中里介山 「大菩薩峠」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...家へ帰ると雨戸を締め切って蚊帳(かや)を吊って線香を焚いてお念仏ばかり称えて居たんですもの...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...向側の蚊帳の中には...
原民喜 「翳」
...蚊遣(かやり)の烟(けむり)にむせばぬまでも思ひにもえて身の暑げなり...
樋口一葉 「にごりえ」
...蚊の鳴くような声で...
久生十蘭 「キャラコさん」
...妻は蚊帳を吊らうとした...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...新九郎の寝ているのを見て静かに蚊帳を払い...
吉川英治 「剣難女難」
...蚊ばしらを斬った白刃(しらは)が...
吉川英治 「剣の四君子」
...病名は“蚊触(かぶれ)”だとある...
吉川英治 「私本太平記」
...納屋の蚊に食われどおしでいたので...
吉川英治 「新書太閤記」
...藤吉郎はしばし部屋の隅で蚊を追いながら...
吉川英治 「新書太閤記」
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