...水になり、空になり、面影は宿っても、虹のように、すっと映って、忽(たちま)ち消えて行く姿であるから、確(しか)と取留(とりと)めた事はないが――何時でも二人連(づれ)の――その一人は、年紀(とし)の頃、どんな場合にも二十四五の上へは出ない……一人は十八九で、この少(わか)い方は、ふっくりして、引緊(ひきしま)った肉づきの可(い)い、中背(ちゅうぜい)で、……年上の方は、すらりとして、細いほど痩せている...
泉鏡花 「霰ふる」
...私は虹を背景にして...
上村松園 「虹と感興」
...彼(かれ)の未來(みらい)は虹(にじ)の樣(やう)に美(うつ)くしく彼(かれ)の眸(ひとみ)を照(て)らした...
夏目漱石 「門」
...お空に 虹の輪虹の橋ねんねん する児が皆渡る...
野口雨情 「未刊童謡」
...……ほんとうに、ベルナアルさんというひとは……」院長は、精一杯な声で虹に向って叫んでいるベルナアルさんを抱き取るような慈悲深い眼つきで眺めやりながら、「あのひとは、花や、虹や、小鳥や、小川などの美しさにあまり感動し過ぎるようです...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...美しい五色の虹につつまれた...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...やがて泡や虹が消え...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...これを虹にたとえたものだ...
牧野富太郎 「植物知識」
...入り日は城門近き木立より虹のごとく洩りたるに...
森鴎外 「文づかい」
...* イリスは虹である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...虹汀此の所の形相(けいそう)を見て思ふやう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...折からの虹(にじ)と対戦するかのように張り合っていた...
横光利一 「ナポレオンと田虫」
...横山白虹君であらう...
芝不器男 「不器男句集」
...虹のような息と共に...
吉川英治 「私本太平記」
...美しい虹が懸かっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...飲むと、その狂児の眸は、虹を発し、いつも、詩を歌うような語調になる...
吉川英治 「平の将門」
...虹(にじ)のようにこぼれていた...
吉川英治 「松のや露八」
...虹のやうな月の輪が魔の淵のやうな大空にかかつてゐた...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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