...これが、あの、私の虹(にじ)、M・C、私の生き甲斐(がい)の、あのひとであろうか...
太宰治 「斜陽」
...清くいみじく比なくおほ空高く星に照り下かんばしく花に笑み虹のなゝ色ちごのため西の夕榮老のため染むる光のたふとしや...
土井晩翠 「天地有情」
...不思議な虹をくぐって続く幽霊の行列...
峠三吉 「原爆詩集」
...沙虹隠士(しゃこういんし)のところだった...
中島敦 「悟浄出世」
...おたあちやんがお宮の境内で大きな虹の橋を見た日が丁度その日だつたのです...
野口雨情 「虹の橋」
...お空に 虹の輪虹の橋ねんねん する児が皆渡る...
野口雨情 「未刊童謡」
...ふるいふるい記憶のかげでどこかの波止場で逢つたやうだが菫の病鬱の匂ひがする外光のきらきらする硝子窓からああ遠く消えてしまつた 虹のやうに...
萩原朔太郎 「青猫」
...隔壁の凹みのベンチで岩永というれいの海軍少尉が白い虹のたつ海を見ていた...
久生十蘭 「ノア」
...丁度その橋のやうに美しい虹が霧の上に横はつてゐるのでございます...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...工夫の方向を精神的絶壁に持ち出したる大上段から無可有の虹に向つて投げ飛したるジヤベリンの弾道を見る如き気概に富んだ光景を期待する者は...
牧野信一 「浪曼的時評」
...やがて美しい虹をかけながら湧き立って来たとき...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そして虹ヶ浜のとききれいな方がいて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...稲刈や湖に虹立ちのぼる都にありて永く思想の病めりしこと...
三好達治 「測量船拾遺」
...呉家四十九代の祖虹汀(こうてい)氏の建立に係る――晨(あした)に金光を鏤(ちりば)めし満目(まんもく)の雪...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...部屋中の灯(ひ)が突然虹のようにギラギラと輝き出したように見えた...
夢野久作 「冥土行進曲」
...雪の上に一すぢ春の路は虹の如くほのぼのとして現れぬ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...果たしてこんな方角なのか?久米川(くめがわ)の夜虹(よにじ)...
吉川英治 「江戸三国志」
...夕虹(ゆうにじ)がかかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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