...虫除けの網戸を開けて戸をノックした...
有島武郎 「フランセスの顔」
...虫除け薬を施してキチンと文庫紙の中に畳みこんであって...
大阪圭吉 「銀座幽霊」
...虫除けや悪病よけになるとこの地方ではいい伝えている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...甘茶や虫除けが貰いたくて来るんじゃあるまい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...丙太は、躍って来て、「行ったよっ」「お通(つう)さん、いたか」「いた、きょうはな、おばば、お通姉さんは美麗(きれい)な帯をして、花祭りしていた」「甘茶と、虫除けの歌を、もろうて来たか」「ううん」「なぜもろうて来ぬのだ」「お通姉さんが、そんな物はいいから、はやくおばばに知らせに、家へ帰(けえ)れというたんや」「何を知らせに?」「河向いの武蔵(たけぞう)がなよ、今日の花祭りに歩いていたのを、お通姉さんが見たのだとよ」「ほんとけ?」「ほんとだ」「…………」お杉は眼をうるませて、息子の又八のすがたが、もうそこらに見えてでもいるように見まわした...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「これをなあお子供衆のお腰に下げておおきやすと奇体(きたい)に虫除けになりますそうでなあ方々からくれくれ言やはりますので皆あげてしまいましてなあもうこれだけより残っとりませんけれど――どうぞお持ちやして」これは尼君がつれづれの手細工であった...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索