...僕はただかの自(おのずか)ら敬虔(けいけん)の情を禁じあたわざるがごとき...
泉鏡花 「おばけずきのいわれ少々と処女作」
...社会改良家をそんなに悲しますものは不幸にある自分の仲間に対する同情ではなく――たとえ彼が神の最も敬虔な子であるにしても――彼の個人的な悩みである...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...私たちの鑑賞眼からすれば何の美的価値もない仏像に対して敬虔な信仰を捧げている厳粛な事実は...
高見順 「仏像とパゴダ」
...敬虔実直な男であるという評判を得た...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...その結果中学時代に持っていた敬虔(けいけん)な学生気分にも...
徳田秋声 「仮装人物」
...その敬虔(けいけん)な目的のために聖ベネディクト派の一修道院を設立させようとした...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...伯母さんはながいあひだ夢みてゐたお阿彌陀様のまへに坐つてあの晩のやうな敬虔な様子で御礼を申しあげてるのであらう...
中勘助 「銀の匙」
...私ならどうでしょう」お品は虔(つつ)ましく口を容(い)れました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貧窮と苦痛とのある処にだけ虔譲と愛とが残されてあるからだ...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...なるほど遠くから見ると虔十は口の横わきを掻(か)いているか或(ある)いは欠伸(あくび)でもしているかのように見えましたが近くではもちろん笑っている息の音も聞えましたし唇(くちびる)がピクピク動いているのもわかりましたから子供らはやっぱりそれもばかにして笑いました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...虔十はいきなり田打ちをしていた家の人達(たち)の前に走って来て云いました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...」虔十はきまり悪そうにもじもじして下を向いてしまいました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...実にこれが虔十の一生の間のたった一つの人に対する逆らいの言(ことば)だったのです...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...虔十は手を頬にあてながら黙(だま)ってなぐられていましたがとうとうまわりがみんなまっ青に見えてよろよろしてしまいました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...そしてぼんやり立ってゐる虔十にきげんよく云ひました...
宮沢賢治 「虔十公園林」
...あの悪魔がお身方をしに出て参って、あなたが偽貴族の甘い詞(ことば)をお聴納(ききいれ)になった時、あなたの帷幕の張ってあった、あの一帯の丘陵を、10995過を悔いて、敬虔に、ロオマへ御寄附なさりませ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...(ウェルギリウス)神々しい・天にまします・われらの偉大なる王〔キリスト〕も(そのすべての点がくわしい注意と敬虔の情とをもって注目されなければならないが)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我々の主君の敬虔との功績である...
和辻哲郎 「鎖国」
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