...げにや、三里の間、山毛欅、桂、楢、栃などの大木しげりあひ、女蘿かゝる...
大町桂月 「十和田湖」
...ところで蘿洞先生はさっきの上ッ張りを腰のあたり迄まくり上げて...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...胡瓜漬の壺へ蒔蘿(いのんど)を入れさせとけ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...一俳諧師(はいかいし)松風庵蘿月(しようふうあんらげつ)は今戸(いまど)で常磐津(ときはづ)の師匠(しゝやう)をしてゐる実(じつ)の妹(いもうと)をば今年は盂蘭盆(うらぼん)にもたづねずにしまつたので毎日その事のみ気にしてゐる...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月(らげつ)は女房のお滝(たき)に注意されてすぐにも今戸(いまど)へ行(ゆ)くつもりで格子戸(かうしど)を出るのであるが...
永井荷風 「すみだ川」
...小梅(こうめ)の伯父(をぢ)なる蘿月宗匠(らげつそうしやう)は早くも名人になるべき素質があると見抜いて...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月(らげつ)は仕方(しかた)なしに雨戸(あまど)を閉(し)めて...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月は休まず歩きつづけた暑さにほっと息をつき...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月はもと小石川表町(こいしかわおもてまち)の相模屋(さがみや)という質屋の後取息子(あととりむすこ)であったが勘当の末(すえ)若隠居の身となった...
永井荷風 「すみだ川」
...」お豊は調子づいて苦心のほどを一倍強く見せようためか声に力を入れて話したが、蘿月はその時、それほどにまで無理をするなら、何も大学校へ入れないでも、長吉にはもっと身分相応な立身の途(みち)がありそうなものだという気がした...
永井荷風 「すみだ川」
...小梅(こうめ)の伯父なる蘿月宗匠(らげつそうしょう)は早くも名人になるべき素質があると見抜いて...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月の伯父さんの事が何(なん)となく取縋(とりすが)って見たいように懐(なつか)しく思返された...
永井荷風 「すみだ川」
...しかし蘿月は今よんどころなく意見役の地位に立つ限り...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月(らげつ)はお豊(とよ)の住む今戸(いまと)の近辺(きんぺん)はどうであったかと...
永井荷風 「すみだ川」
...さて寺の男に水運ばせ苔(こけ)を洗ひ蘿(つた)を剥(はが)して漫(まんかん)せる墓誌なぞ読みまた写さんとすれば...
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...古の松蘿も女蘿もじつはその実物はなんであるのかよくは分らないものである]...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...一心にその松蘿のついた小枝を見ている...
水野葉舟 「帰途」
...野老(ところ)と蘿蔔(すずしろ)と朱実(あけみ)と粟とがはいっていた...
横光利一 「日輪」
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