...彼は草木や蔦蘿(つたかずら)を腕一ぱいに掻(か)きのけながら...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...蔦蘿(つたかずら)が半ば這(は)いかかって...
芥川龍之介 「尾生の信」
...洞門を掩(おほ)へる蔦蘿(つたかづら)の帳(とばり)の如くなるを推し開くに...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...破れたる壁は蔓蘿(つたかずら)に縫はれ...
巌谷小波 「こがね丸」
...独身者の蘿洞先生は...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...軍配団扇みたいな葛蘿(かづら)に足をさされして息のつまりさうな深みからひとつの峰へ辛うじてぬけだした...
中勘助 「銀の匙」
...朽ちはてたえのみはおおかた枝葉を落しつくして葛蘿(かずら)にまかれている...
中勘助 「島守」
...一俳諧師(はいかいし)松風庵蘿月(しようふうあんらげつ)は今戸(いまど)で常磐津(ときはづ)の師匠(しゝやう)をしてゐる実(じつ)の妹(いもうと)をば今年は盂蘭盆(うらぼん)にもたづねずにしまつたので毎日その事のみ気にしてゐる...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月(らげつ)は尤(もつと)もらしく坐(すわ)り直(なほ)して扇子(せんす)で軽く膝(ひざ)を叩(たゝ)いた...
永井荷風 「すみだ川」
...」と蘿月(らげつ)は頷付(うなづ)いて...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月宗匠(らげつそうしやう)は冷えた茶を飲干(のみほ)しながら...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月(らげつ)は一家の破産滅亡(めつばう)の昔(むかし)を云出(いひだ)されると勘当(かんだう)までされた放蕩三昧(はうたうざんまい)の身は...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月(らげつ)は何(なん)と云(い)ふわけもなく...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月は悲しいとか淋(さび)しいとかそういう現実の感慨を通過(とおりこ)して...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月はその頃お豊の家を訪ねた時にはきまって甥(おい)の長吉とお糸をつれては奥山(おくやま)や佐竹(さたけ)ッ原(ぱら)の見世物(みせもの)を見に行ったのだ...
永井荷風 「すみだ川」
...蘿月は机を離れて座敷の真中(まんなか)に坐り直ったが...
永井荷風 「すみだ川」
...別れる時に蘿月は再び心配そうに...
永井荷風 「すみだ川」
...松蘿を持った男が言った...
水野葉舟 「帰途」
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