...それは豆麦や藻草の薫(かおり)の夜気(やき)の中に...
魯迅 井上紅梅訳 「村芝居」
...からからの藻草の切れと小砂とが残ったばかりである...
鈴木三重吉 「千鳥」
...遠浅な海では、引潮の場合にあまり遊びが過ぎて帰り遅れた魚や、海老などが、そこらの藻草や、砂の窪みにかいつくばって、姿を隠しているのがあるものだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...水温んでなほ腐る去年(こぞ)の藻草ありこれも同様であります...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...海底に漂う藻草の一本さえも...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...いつもの通りの銅色(あかがねいろ)の顔をして無心に藻草の中をあさっている...
寺田寅彦 「嵐」
...満潮に流れ寄る石垣下の藻草(もぐさ)のちぎれ...
永井荷風 「すみだ川」
...蒼黒(あおぐろ)い藻草(もくさ)が限りなく蔓延(はびこ)っていた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
......
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...桜貝のような愛らしい耳が着いていたところから藻草が青い芽をだしている...
久生十蘭 「湖畔」
...日の入る頃に藻草のひと口といっぱいの泉の水...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「魚と蠅の祝日」
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三好達治 「測量船」
...藻草(もぐさ)が静かに揺れている水の中を覗(のぞ)くと...
山本周五郎 「青べか物語」
...水の中では藻草(もぐさ)が揺れていた...
山本周五郎 「似而非物語」
...藻草と海苔(のり)粗朶(そだ)とが舟脚にからむ...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...船底に藻草のついたのを火に焼くのが如何にも面白さうなので...
吉江喬松 「伊良湖の旅」
...網につけて來て小徑へ散らした鳶色の藻草があるばかりであつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...汀から急に深くなった水中の枯木の幹や枝には藻草が青く纏っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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