...煤(すす)けた榾火(ほたび)の光りの中にがつがつ薩摩藷を頬張つてゐた...
芥川龍之介 「一塊の土」
...大根を干し甘藷(いも)を干しすぐ日かげ十月二十七日 小諸山廬...
高浜虚子 「六百句」
...――やうやく海の威嚇と藷焼酎の誘惑とから逃れて...
種田山頭火 「行乞記」
...二葉となりお汁の実となり(大根の芽生に)日本晴れの洗濯ですぐ乾く・萩もをはりの、藤の実は垂れ・くみあげる水がふかい秋となつてきたふるさとのそばのあしいよ/\あかしさみしさがけふも墓場をあるかせるさみしいから(或る日はアルコールでまぎらすけれど)あてもなくあちこちあるきまはる、藁麦畑、藷畑、墓場、大根畑、家、人...
種田山頭火 「其中日記」
...甘藷(かんしょ)...
寺田寅彦 「軽井沢」
...浦和の停車場からすぐに町はずれへ出て甘藷(さつまいも)や里芋やいろいろの畑の中をぶらぶら歩いた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...甘藍の漬物(つけもの)に五升藷(ごしょういも)(馬鈴薯(じゃがいも))の味噌汁(みそしる)は特色である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...かみさんと甘藷(さつま)を掘って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...甘藷(さつま)を掘ったあとの紫がかった黒土...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...丁度収穫を終えたばかりの馬鈴薯と畑に甘藷があるので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...一日お藷(いも)をかじって過したこともあってよ...
豊島与志雄 「反抗」
...農婦甘藷の苗を背負ひて賣り歩むを見る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...甘藷(さつまいも)は土(つち)を掻(か)つ掃(ぱ)いて探(さが)し掘(ぼ)りにするのは心(こゝろ)が忙(せは)し過(す)ぎるのでぐつと引(ひ)き拔(ぬ)く...
長塚節 「土」
...藷畑も掘りかへされて...
林芙美子 「暗い花」
...この藷(いも)なかりせば国内の食物は夙(つと)に尽きて...
柳田国男 「木綿以前の事」
...しかし藷が来た以上は作って食い...
柳田国男 「木綿以前の事」
...此辺(このあたり)の狭い町角では薩摩藷(いも)や梨を茹(う)でて湯気(ゆげ)の立つのを売つて居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...丁度途中の兵糧に買つといた甘藷の束を持つてゐたんだ...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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