...さきに藷(いも)でも食ふべえ...
芥川龍之介 「一塊の土」
...廊に圍まれたるは小(ちさ)き馬鈴藷圃(ばれいしよばたけ)にて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...前夜釜(かま)で煮て食い尽くしたはずの甘藷(かんしょ)が押し丸められて...
井上円了 「おばけの正体」
...薩摩藷でも執りに来ているだろうが...
田中貢太郎 「忘恩」
...二葉となりお汁の実となり(大根の芽生に)日本晴れの洗濯ですぐ乾く・萩もをはりの、藤の実は垂れ・くみあげる水がふかい秋となつてきたふるさとのそばのあしいよ/\あかしさみしさがけふも墓場をあるかせるさみしいから(或る日はアルコールでまぎらすけれど)あてもなくあちこちあるきまはる、藁麦畑、藷畑、墓場、大根畑、家、人...
種田山頭火 「其中日記」
...そこの甘藷畑の中の小高い處に兎も角も腰をかけて繪具箱をあけた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...浦和の停車場からすぐに町外れへ出て甘藷や里芋やいろいろの畑の中をぶら/\歩いた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...甘藷(さつま)や南瓜(とうなす)胡瓜(きゅうり)の温床(とこ)の仕度もせねばならぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...甘藷(さつま)の蔓(つる)もかえさねばならぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...生々(いきいき)として居た甘藷の蔓は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...此夫婦は来年此処で甘藷を掘ることは出来ぬのである...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...実際ムクはエラかったぜ、あのくらいの犬は人間にだってありゃしねえや」と、米友は檻の前へ、勝栗だの、煎餅(せんべい)だの、甘藷だの、にんじん、ごぼうだのと、八百屋店のように押並べて、片っ端からそれを与えつつ訓戒を加えるのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼(かれ)は甘藷(さつまいも)の外(ほか)には到底(たうてい)さういふ凡(すべ)ての苗(なへ)を仕立(した)てることが出來(でき)ないので...
長塚節 「土」
...勘次(かんじ)は彼(かれ)の大豆畑(だいづばたけ)の近(ちか)くに隣(となり)の主人(しゆじん)の甘藷畑(さつまばたけ)とそれから其(そ)の途中(とちう)に南瓜畑(たうなすばたけ)があつたので...
長塚節 「土」
...おとつゝあだ」「おとつゝあは家(うち)で甘藷(さつま)くつて旦那(だんな)のがうめえつちつたのか」「さうなんだわ」無心(むしん)な與吉(よきち)は誘(さそ)ひ出(だ)されるまゝにいつて畢(しま)つた...
長塚節 「土」
...おどろがさ枝に藷蕷を堀り...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...五月の飛魚と、甘藷と、甘蔗、それに林業くらゐが、この島の財政である...
林芙美子 「屋久島紀行」
...ジャガイモ、甘藷、パンなかなかないので閉口...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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