...三月十四日夏目金之助高浜清様○明治四十一年三月十六日(葉書)藪柑子(やぶこうじ)先生「伊太利人」と申す名作を送り候...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...・けさはけさのほうれんさうのおしたし・茶の木も庵らしくする花ざかり・すくうてはのむ秋もをはりの水のいろ・冬山をのぼれば遠火事のけむり・あたゝかくあつまつてとんぼの幸福(とんぼの宿)・赤さは日向の藪柑子・とんぼにとんぼがひなたぼつこちろ/\おちてゆく冬めいた山の水・ふめば露がせなかに陽があたる□・お地蔵さまのお手のお花が小春日□・めつきりお寒うなりました蕪を下さつた霜の落葉にいもりを汲みあげた夜...
種田山頭火 「其中日記」
...藪柑子のつゝましさ...
種田山頭火 「其中日記」
...おちついて雪と私・ほいなく別れてきて雪の藪柑子・つららぶらさがらせてやすらけく生きて大根みんなぬかれてしまつた霜・けふも鴉はなく寒いくもり・ハガキを一枚ぬかるみのポスト一月廿九日雪...
種田山頭火 「其中日記」
...濫作一聯如件・みほとけに供へる花のしつとりと露・朝風のうららかな木の葉が落ちる仏間いつぱいに朝日を入れてかしこまりました・山へのぼれば山すみれ藪をあるけば藪柑子・山ふところはほの白い花が咲いて・によきによきぜんまいのひあたりよろし・山かげ...
種田山頭火 「其中日記」
...日のさせば藪柑子・風の鴉の家ちかく来ては啼くあんたは酒を...
種田山頭火 「其中日記」
...樹明君にも逢つたが、お互に酒の捻出が出来ないので、ほいなくもさびしいわかれ!つつましく生きやう、藪柑子のやうに...
種田山頭火 「其中日記」
...まだ食べるものはある月かげのまんなかをもどる雪へ雪ふるしづけさにをる雪ふる一人一人ゆく落葉あたたかうして藪柑子茶の木にかこまれそこはかとないくらし或る友に月夜...
種田山頭火 「草木塔」
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種田山頭火 「草木塔」
...故郷の鎭守の森の杉の木蔭のあちこちに簇生して居た可憐な藪柑子の姿は...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...二本の梅と六百本ばかりの藪柑子を...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...藪柑子と共にくる/\と一筆がきの姫だるまを描く事を樂しんで居る...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...藪柑子數本をいろ/\配置した四五枚の表紙畫を長崎氏に見せ...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...赤い實の數本の藪柑子は色彩がきれい過ぎて...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...しかし私は全く藪柑子畫をやめてしまふのも何となく殘り惜しい氣がして...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...『藪柑子集』以来の三十年に近い先生の筆の力を必要としたのである...
中谷宇吉郎 「文化史上の寺田寅彦先生」
...藪柑子の赤い溝流れの上にかかったりしていたところからそこへ入って行ったので...
宮本百合子 「上林からの手紙」
...藪柑子(やぶかうじ)のあたまを染めてゐる...
室生犀星 「名園の落水」
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