...尤(もっと)も大伽藍などと言えば...
芥川龍之介 「北京日記抄」
...霧は濡色の紗を掛けた、それを透いて、却つて柳の薄い朧に、霞んだ藍か、いや、淡い紫を掛けたやうな衣の彩織で、しつとりともう一枚羽織はおなじやうで、それよりも濃く黒いやうに見えた...
泉鏡花 「遺稿」
...藍(あい)を主とした泥絵具(どろえのぐ)で毒々しく塗りつけてあった...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...大仏の中は伽藍洞(がらんどう)で...
高村光太郎 「回想録」
...「藍の玉ができるようになれば...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...まっくらな伽藍(がらん)からぬけ出してきた霊魂のようであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...四『北斎漫画』及この種類の絵本はいづれも薄き代赭(たいしゃ)藍(あい)または薄墨を補助としたる単彩の板画なり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その上に築いた伽藍(がらん)がすなわち回向院(えこういん)――そんなことはもう講釈種で皆様よくご存じのことと思います...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...藍染川の泥の中に突っ込んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...藍鼠の二枚袷に翁格子の丸帯を締め...
久生十蘭 「魔都」
...藍(あい)染附の...
古川緑波 「神戸」
...いつも藍(あい)みじんを着て...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それからおばさまのお持ちの回数券は戦争前の藍色券なのよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...茶と緑と藍と白と...
柳宗悦 「工藝の道」
...前に記した秋元安民の『青藍集』まできているのである...
柳田国男 「故郷七十年」
...こうして建立された伽藍(がらん)なのであった...
吉川英治 「親鸞」
...この豚の子奴!3孟買(ボンベイ)埠頭の藍色の海に室蘭丸が碇泊していた...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
...もとは伽藍全体の一小部分に過ぎなかったことも解ってくる...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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