...すると黄ばんだ麦の向うに羅馬(ロオマ)カトリツク教の伽藍(がらん)が一宇(いちう)...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...蒼(あお)ざめて藍(あい)のよう...
泉鏡花 「悪獣篇」
...大きな伽藍(がらん)は皆門を閉ぢてゐるなかに...
薄田泣菫 「茶話」
...藍微塵(あいみじん)の衣服(きもの)を着た女が幻燈に映し出されたようにはっきりと現れて...
田中貢太郎 「藍微塵の衣服」
...大井から大森の人家の簷(ひさし)が藍鼠(あいねずみ)の海に溶けこもうとしていた...
田中貢太郎 「春心」
...その藍(あい)のなかに...
田中英光 「オリンポスの果実」
...』目は藍光のアテーネー...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...永遠に中秋月夜(ちゅうしゅうげつや)の山水(さんすい)は藍(あい)の如く青かるべし...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...しかしてその色彩には好んで赤と藍とを混和せしめたる極めて明快なる林檎色(りんごいろ)の緑を用ひ文化以前の木板絵に見るが如き色調の美妙を示す所あり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...あるひはまた浅草本願寺の屹立(きつりつ)せる屋根を描きたる図中その瓦の色と同様なる藍と緑を以て屋根瓦を修繕する小さき人物を描きたるが如き...
永井荷風 「江戸芸術論」
...あんなものを藍というのであって...
牧野富太郎 「植物記」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...ココア色の煉瓦にしみた夜の濃い藍紫のいろが美しかつた...
室生犀星 「洋灯はくらいか明るいか」
...何といっても「阿波藍」は藍の王様でありました...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...藍丸国の天子様の御妃になって...
夢野久作 「白髪小僧」
...伽藍(がらん)の中にいるような寂寞である...
吉川英治 「剣難女難」
...対岸の空に藍(あい)か紫かの襞(ひだ)を曳き...
吉川英治 「新・水滸伝」
...彼女の身は」「藍子さまのお行方ですか」「なに……」と...
吉川英治 「平の将門」
便利!手書き漢字入力検索