...些の慰藉もない苛酷な工場に仕事を見つけた...
伊藤野枝 「乞食の名誉」
...松吉は狼藉をつくした一間の真中に...
海野十三 「雷」
...玲瓏玉の如く潔い」斯く考へる事が春三郎に取つて此上無き慰藉であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...またはゆくりなく湧き來る感興を味はふほど私にとつての慰藉はない...
近松秋江 「伊賀、伊勢路」
...彼の全部であるところの例の青い帽子の助けを藉りて...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...これらのものは感覚から記憶の助けを藉りて想像力に達したと思われるゆえに...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...必らずしも政党の力を藉るの必要なきのみならず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...せめてもの慰藉(なぐさめ)にしようと試みるのであったが...
永井荷風 「妾宅」
...「外國」と云ふ一語は何(ど)れだけ強い慰藉であつたらうか...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...道も庭も松葉散り敷きてあたりは狼藉たり木に絡む糸瓜の花は此の朝は萎えてさきぬ痛みたるらむおなじく松林のほとり...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...常に他山の石を藉(か)りて自分の玉を磨(みが)くの用に供したいと思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...頭の加減でも悪いんじゃないのか」俗説に耳を藉(か)すな...
久生十蘭 「キャラコさん」
...三郎 捕らえておいた人柱の者が狼藉を働きましてのう...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...仙太は町の噂には一切耳を藉さなかった...
矢田津世子 「凍雲」
...その上から狼藉(ろうぜき)していた杯盤がガラガラガラと雪崩(なだれ)かかる...
夢野久作 「爆弾太平記」
...そして、國藉と、姓名と、旅行地と、年齡と職業とを書かせてから、室への案内に立つた...
吉江喬松 「山岳美觀」
...みだりに狼藉(ろうぜき)する兵でもあったら...
吉川英治 「三国志」
...また中国の或る海浜で漁夫の群れに狼藉(ろうぜき)をうけ...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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