...そっとその女の傍へ寄って芹(せり)や薺(なずな)を懐へ押し入れさせ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
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内藤鳴雪 「鳴雪句集」
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内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...斃れて後已むに至りては固より我儕の薺甘(せいかん)する所なりといへども...
中江兆民 「『東洋自由新聞』第一号社説」
...春といっても横にひろがった薺が...
長塚節 「太十と其犬」
...恁(か)うして居(ゐ)る間(あひだ)に春(はる)の彼岸(ひがん)が來(き)て日南(ひなた)の垣根(かきね)には耳菜草(みゝなぐさ)や其(その)他(た)の雜草(ざつさう)が勢(いきほひ)よく出(で)だして桑畑(くはばたけ)の畦間(うねま)には冬(ふゆ)を越(こ)した薺(なづな)が線香(せんかう)の樣(やう)な薹(たう)を擡(もた)げて...
長塚節 「土」
...途中の山道に咲いていた蒲公英(たんぽぽ)や薺(なずな)のような花にもひとりでに目がとまって...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...二階の屋根に一面に薺(なずな)の生えて居る家がある...
正岡子規 「車上の春光」
...嫁菜、薺、蓬など少しは善からん...
正岡子規 「花枕」
...真後(まうしろ)に芹(せり)と薺(なずな)とあり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...薺は二寸ばかりも伸びてはや蕾(つぼみ)のふふみたるもゆかし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...薺(なずな)のたけたのをペンペン草ということは...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...口を括(くく)れば薺の実のように三角になるものが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...薺の実ほどの大きさでちょうどよいと見たのである...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...土地によって薺に色々の名があって...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...これが薺の花茎のような鈴を振っていたことは...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...きっと薺ですよそれは」つなは思わず失笑した...
山本周五郎 「風流太平記」
...これは蕗(ふき)の薹(とう)でございますよ」「しかし似てはいるでしょう」「なんにですか」「もちろん薺にですよ」「わたくしをからかっていらっしゃるのね」つなは怒ってそっぽを向いた...
山本周五郎 「風流太平記」
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