...薔薇の花、絹、頸飾りの琥珀、――それらがちらりと見えたと思うと、すぐに眼の前から消えてしまう...
芥川龍之介 「上海游記」
...薔薇の花を咲かせるもののことである...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...ふゆ原に絵をかく男ひとり来て動くけむりをかきはじめたり幸福なる何人かの詩人たちは或は薔薇(ばら)を歌ふことに...
芥川龍之介 「僻見」
...薔薇と鈴振花(すゞふりばな)と茉莉花(まつりくわ)の三つの香がする薫(かほり)の高い意地惡さうな花をさ...
レミ・ドゥ・グルモン Remy de Gourmont 上田敏訳 「わるい花」
...13ひねもすを嗟嘆する 南の色の薔薇の花...
大手拓次 「藍色の蟇」
...その薔薇をくれないか...
オー・ヘンリ O. Henry 大久保ゆう訳 「罪と覚悟」
...いちばん美しい薔薇(ばら)や初咲きの枝を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...借家の庭に躑躅(つゝじ)牡丹薔薇藤その他の花樹多し...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...お前の頬の薔薇は呟いた...
原民喜 「死について」
...匂いかい?――こいつは薔薇みたいな匂いもしたし...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...私の心はさっき霧の中から私を訴えるような眼つきで見上げた野薔薇のことで一杯(いっぱい)になっていた...
堀辰雄 「美しい村」
...このながく眠っていた薔薇(ばら)を開かせるためには...
堀辰雄 「聖家族」
...白い珠をへだてて毎日ふたりの美しいあひのこが来てゐた薔薇(ばら)いろをした頬が日に焼けみのつた杏のやうに汗ばみその白い小鳥はすばやく走つて行つたりどうかすると天へ吊り上げられるやうに珠と睦(むつ)れ合ひ微笑(わら)つて花のやうにコートのそとの緑を染めた...
室生犀星 「忘春詩集」
...」久慈は薔薇をち切ると知らぬ気に後ろから真紀子の襟にさした...
横光利一 「旅愁」
...底に残りし薔薇(ばら)の水...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...ロダン先生の庭の薔薇(ばら)のいろいろ……我等二人(ふたり)はその日を如何(いか)で忘れん...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...女タイピストが薔薇の花のついたガーターを...
吉行エイスケ 「大阪万華鏡」
...薔薇色(ばらいろ)の下着の裾(すそ)が泉水の水に濡(ぬ)れるのを心配して...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
便利!手書き漢字入力検索