...えも言(い)われぬ美(うつく)しい一(ひと)ツの入江(いりえ)になっているのではありませぬか!刷毛(はけ)で刷(は)いたような弓(ゆみ)なりになった広(ひろ)い浜(はま)……のたりのたりと音(おと)もなく岸辺(きしべ)に寄(よ)せる真青(まっさお)な海(うみ)の水(みず)……薄絹(うすぎぬ)を拡(ひろ)げたような...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...薄絹の雲左右に分れて...
泉鏡花 「悪獣篇」
...真赤な薄絹を通して...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...血の色の薄絹をじっと見つめながら...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...あるひどい雨の日の昼ごろにたずねて来たときは薄絹にゴムを塗った蝉(せみ)の羽根のような雨外套(あまがいとう)を着ていたが...
寺田寅彦 「B教授の死」
...いかめしい城郭のようなライブラリーも柔らかで憂鬱な霧の薄絹に包まれている...
寺田寅彦 「病院風景」
...崔冷紅は黒い薄絹の服をまとい...
豊島与志雄 「碑文」
...白の薄絹の衣裳を着てゐた令嬢マリイがいつもよりも一層美しく見えた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...それがまるで薄絹ででもあるやうにハンケチででもあるやうに我等の心を引千切(ひきちぎ)りきれぎれにして風に散らせる私はもう...
中原中也 「早春散歩」
...桃色珊瑚を薄絹で包んだような...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...頬(ほゝ)は薄絹(うすぎぬ)の紅(べに)さしたるやうにて...
樋口一葉 「軒もる月」
...頬(ほう)は薄絹(うすぎぬ)の紅(べに)さしたるやうにて...
樋口一葉 「軒もる月」
...長い薄絹を頭に被(かぶ)り...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...奪つてきた旅行鞄から下つてゐる霞のやうな薄絹(うすぎぬ)の被物などは私のものではないのだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...輕い薄絹が彼女の顏の上に置かれてある...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...茶色の薄絹のやうな翅を出して...
槇本楠郎 「かぶと虫」
...種々道具をとり集めラウド・スピイカアに趣味の悪い薄絹の覆いをかけたり...
「一本の花」
...つまり丘子の薄絹のような肌に...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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