...月明りに交(まじ)った薄暗がりを払って...
芥川龍之介 「影」
...僕はこう言う薄暗がりの中に妙な興奮を感じながら...
芥川龍之介 「年末の一日」
...そのまま薄暗がりに消えていた...
梅崎春生 「桜島」
...薄暗がりだからつひ見えないで踏み附けた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...じめじめした湿地と薄暗がりとを娯しんでいるのだ...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...もや/\とした薄暗がりの光線で包んで...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...暗いところでばかり……薄暗がりの中でばかり...
豊島与志雄 「丘の上」
...彼は屹度薄暗がりの中にじっとこちらを透し見ていた...
豊島与志雄 「微笑」
...敷物も何も足に触れない素裸(すはだか)のままの高い階子段(はしごだん)を薄暗がりにがたがた云わせながら上(のぼ)って...
夏目漱石 「ケーベル先生」
...部屋の中の薄暗がりで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...歸りもならず薄暗がりに三々五々...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...土間の薄暗がりに...
長谷川時雨 「下町娘」
...私と薄暗がりの丘とをへだてゝゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼女の眼が薄暗がりに慣(な)れて来ると...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...近所の人達の白い顔が薄暗がりの中で大勢凝ツと此方を睨めてゐた...
牧野信一 「毒気」
...薄暗がりである故に気づかれもしまいと落ちついて...
牧野信一 「剥製」
...薄暗がりにある戸が開いて...
三好十郎 「その人を知らず」
...薄暗がりの物蔭から走り出た蝙蝠(こうもり)のような人影が...
吉川英治 「新・水滸伝」
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