...さうすると人間は薄情なもので...
芥川龍之介 「杜子春」
...」「いつ、私が、薄情な、」と口惜(くや)しく屹(きっ)となる処を、酒井の剣幕が烈(はげし)いので、悄(しお)れて声が霑(うる)んだのである...
泉鏡花 「婦系図」
...人間って薄情なものだ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...そろ/\いぢめて泣かせるがいゝよ」「オヤ大変薄情な事をお言ひだね...
田澤稲舟 「五大堂」
...」「先生という人薄情な人ね...
徳田秋声 「仮装人物」
...あなたのような薄情な方にも...
中里介山 「大菩薩峠」
...薄情なところがあって...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...私は一目散に逃げました」こんな薄情な弟が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの薄情なお艶がペラペラ喋舌(しやべ)つた事ですから」「薄情な女が一番結構な證人になるわけだな」「お蔭でお神樂の清吉は馬鹿を見ますよ」ガラツ八は妙なところへ力瘤(ちからこぶ)を入れます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前は錢形の親分を知つて居るなら一緒につれて行つてくれ――』と斯(か)う申して居りました」「それから」「一度は薄情な仕打もした許嫁(いひなづけ)のお芳にも...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...離屋(はなれ)へ別に住まはせることにした」「薄情な野郎だな」「一萬兩の金が目當ての入婿だから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ならないの」「あなたは父の死際に薄情な真似をした...
久生十蘭 「肌色の月」
...彼等は大変身勝手(みがって)な、薄情な人達で、貧乏な人達を憐れみもしなければ、家のない人達に同情もしませんでした...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...そんな薄情な事はいわないでくれこの次ぎは五千円ぐらい持って来るからいやいや...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...私はあなたのために決して薄情な良人(おっと)でなかったはずだ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...薄情なめにあって泣かされてみたいとか...
山本周五郎 「寒橋」
...――おれは薄情なつもりではなかった...
山本周五郎 「花も刀も」
...薄情な男へこぼす涙のようになんの反応もありはしない...
吉川英治 「親鸞」
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