...「薄情な方ね...
芥川龍之介 「路上」
...土地の人々の薄情なことや...
岩野泡鳴 「耽溺」
...薄情なのは、世間の涙もろい人たちの間にかえって多いのであります...
太宰治 「女の決闘」
...薄情な京都の人間の住んでいるこの土地を人ぐるみ焦土となるまで焼き尽してやりたいとまで思っているのである...
近松秋江 「霜凍る宵」
...そういう薄情なつもりではなかったが...
徳田秋声 「新世帯」
...薄情な劉さん思ひ切つて――悲しいけれど捨てませうベンチの上に青々と月がさしたら泣くでせうわたしの顔を屹度眺めて泣くでせう劉さん劉さんその時のわたしの心はどんなでせう磯の上親恋しがりの子雀よ親が恋しく海へ来たのか海へはいつて蛤に化(な)つて了つた親雀はお前のことはもう忘れてゐるぞ幾ら待つてゐても元の親には逢はれないのだ帰れ...
野口雨情 「都会と田園」
...「薄情な野郎だ、女を捨てゝ行きやがつて――」× × ×お濱は危ふく處刑(しよけい)されるのを、平次の情で助られました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...赤合羽に包んで雪の中へ捨てるやうなそんな薄情な家へ誰が歸るものか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「薄情なやうだが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――薄情な女のところへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あなたぐらい薄情な方はなくってよ...
久生十蘭 「魔都」
...薄情なあんたには...
火野葦平 「花と龍」
...あるいはこの議論はまったく算盤(そろばん)ずくにて薄情なるに似たれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...文三は一途(いちず)に叔母を薄情な婦人と思詰めて恨みもし立腹もした事では有るが...
二葉亭四迷 「浮雲」
...そんねえにむげえ薄情なもんでがすかえ? そんねえに……...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...薄情なようにも皆さんは思っておられるでしょう」こんなことを中将は言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...見物人という奴は劇場関係者(こやもの)よりもモット薄情な...
夢野久作 「二重心臓」
...唯(たゞ)通りすがりに何(ど)んな事をしてなりとも金儲けさへすれば好いと云ふ様な薄情な態度が無いのは感心だ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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