...そんな薄情な事はしないつもりです...
有島武郎 「或る女」
...薄情な奴は俺(おい)ら真平だ...
泉鏡花 「婦系図」
...そろ/\いぢめて泣かせるがいゝよ」「オヤ大変薄情な事をお言ひだね...
田澤稲舟 「五大堂」
...お園さん薄情な人やなあ思いました」若奴がそういうと...
近松秋江 「霜凍る宵」
...薄情な劉さん思ひ切つて――悲しいけれど捨てませうベンチの上に青々と月がさしたら泣くでせうわたしの顔を屹度眺めて泣くでせう劉さん劉さんその時のわたしの心はどんなでせう磯の上親恋しがりの子雀よ親が恋しく海へ来たのか海へはいつて蛤に化(な)つて了つた親雀はお前のことはもう忘れてゐるぞ幾ら待つてゐても元の親には逢はれないのだ帰れ...
野口雨情 「都会と田園」
...少しばかり薄情なところも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お艶に駆落をすすめたそうですよ」「お艶は幾太郎を庇いながらそんな事をペラペラ饒舌(しゃべ)るのか」「ヘエ――」「薄情な女だな...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その時は他所(よそ)へ嫁に行く――といひ度かつたのさ」「そんな薄情なお秀ぢやありませんよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――それを氣性の激しいお才に拾はれて、家中囃(はや)し立てられたからたまらない、お谷は居たたまらなくなつて、逃げ出したり、井戸を覗いたり、隨分可哀さうだつたといふことですが、逃げ出しても、掛り人の悲しさで、此處より住み心地の良い家はなく、井戸へ飛込む氣にもなれなかつたか、そのまゝズルズルと、居据(ゐすわ)つてしまつたさうで」「氣の毒だな」「それから少しばかりの身だしなみから化粧まで、サラリと捨てて、あの通り汚な作りの働き者になつたといふことですよ」「眞太郎は、その時、どうした」「面白がつて笑つて居たさうですよ、薄情な野郎で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ならないの」「あなたは父の死際に薄情な真似をした...
久生十蘭 「肌色の月」
...……あの薄情な恋人の戴冠式の行列を見に...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...人間の内心にはいかに多くの薄情なものがあり...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...薄情なことを知ッたから...
広津柳浪 「今戸心中」
...姑必ずしも薄情ならず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...薄情な奴だと思っているに違いない……」僕等夫妻は...
松崎天民 「友人一家の死」
...薄情なようにも皆さんは思っておられるでしょう」こんなことを中将は言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...」「薄情なおじさまと違うわよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...私は彼らの眼に冷淡な薄情な男として映るのです...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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