...』『マア以前(このまへ)も家へ入(いら)しつた癖に、……薄情な人ね、此(この)方(かた)は...
石川啄木 「菊池君」
...そして彼女は何といふ薄情な女だらう...
種田山頭火 「行乞記」
...義理にもそんな薄情な行為を為向(しむ)けられるようなことを...
近松秋江 「黒髪」
...あんな薄情な女に生命(いのち)を打ち込んで惚(ほ)れるんじゃなかった」と...
近松秋江 「霜凍る宵」
...こんな薄情な人でも自分にお礼をしようというしおらしい心があるのか知らと思わせられたのでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...いくら稼業柄(かぎょうがら)とは言いながら薄情なやつらだと...
中里介山 「大菩薩峠」
...僕は心にもない薄情な人間になつてしまつたのである...
長塚節 「開業醫」
...そして申分なく薄情な男だったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「薄情な野郎だ、女を捨てて行きやがって――」*お浜は危うく処刑されるのを、平次の情けで助けられました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――薄情な女のところへ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...里方に引取られた浪子は、薄情な夫、小栗桂三郎を怨み抜いて居りましたし、家もそんなに遠くはありませんが、何分ひどいヒステリーで、その晩は特に発作が猛烈だったので、年取った母親が、一刻も目を離さなかったと証言して居ります...
野村胡堂 「流行作家の死」
...こんな薄情な扱いをされては...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...所で私はその手紙を見て先(ま)ず立腹したと申すは、榎本は兎(と)も角(かく)も、その親戚身寄の者が江戸に居ながら嫌疑を恐れて便りをしないとは卑劣な奴だ、薄情な奴だ、実に幕府の人間は皆こんな者だ、好(よ)し乃公(おれ)が一人で引受けて遣(や)ると云う心が頭に浮んで来て、加うるに私は古川節蔵(ふるかわせつぞう)の一件で糺問所の様子を知て居るから、スグ江連の方へ返辞を出し、榎本は今糺問所に這入(はいっ)て居る、殺されるか助かるかソリャどうも分らない、分らないけれども何しろ煩(わずら)いもしなければ何もせずに無事に居るので御座(ござ)る、その事を阿母さん始め皆さんへ伝えて呉(く)れよと云て遣(や)ると、又重ねて手紙を寄越して、老母と姉が東京に出たいと云うが上京しても宜(よろ)しかろうかと云(いっ)て来たから、颯々(さっさつ)と御出(おいで)なさい、私方に嫌疑(けんぎ)もなんにもない、公然と出て御出(おい)でなさいと返辞(へんじ)をすると、間もなく老人と姉さんと母子二人出京して、ソレから糺問所(きゅうもんじょ)の様子も分(わか)り差入物(さしいれもの)などして居る中に、阿母(おっか)さんが是非(ぜひ)釜次郎(かまじろう)に逢いたいと云出(いいだ)した...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...震えながら女の薄情な口元に注目している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...女の薄情な唇を見つめていたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...薄情な奴だと思っているに違いない……」僕等夫妻は...
松崎天民 「友人一家の死」
...薄情なようにも皆さんは思っておられるでしょう」こんなことを中将は言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...平手さんがそんなに薄情なら...
山本周五郎 「花も刀も」
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