...「あゝ我がはらから誰と遊ぶ」ふと薄寒い感じが体の中をすつと抜けて通るやうに思ふと...
有島武郎 「お末の死」
...薄寒いような風が...
徳田秋声 「足迹」
...先生はむしろ薄寒い妾宅の置炬燵にかじりついているのが...
永井荷風 「妾宅」
...それにもかかわらず家の内はいつもしんとして薄寒いような気のするほど静(しずか)である...
永井荷風 「寐顔」
...薄寒いので、九月十三夜の月が中天に懸ると、橋の上に居た月見の客も大方歸つて、濱町河岸までは目を遮(さへぎ)る物もなく、唯もうコバルト色の灰を撒(ま)いたやうな美しい夜です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...年寄だし、まだ薄寒いし、頭巾を冠るに不思議は無いが、耳の上までスポリと引下げて居たのは可怪しい」「――」「俺が歸らうとする時、氣が付いたやうに取つたが、あれは疑はれ度くない爲だ」「フ――ム」「あの時俺は、鶯谷の耳の穴に、何か鼠色の光るものが、入つて居るのを見たやうな氣がするんだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い二月の夜、月が町家(ちょうか)の屋根の上から出かかって、四方(あたり)は金粉(きんぷん)を撒(ま)いたような光が薫(くん)じます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄寒い月の無い晩で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分」ガラツ八も少しばかり薄寒い心持になります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い日などは客の追ひ出しが早く...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い日などは客の追い出しが早く...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄寒いのに夕凉(ゆふすゞ)みの人通りで大變な賑ひだ」「それは何んの禁呪(まじなひ)だ」「何んかの彈(はず)みで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...春といってもまだ薄寒いし...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄寒い日が續いた揚句...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い日が續いたので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もう秋の末で薄寒い頃に袷(あわせ)に襦袢(じゅばん)で震えて居るのに...
正岡子規 「墓」
...薄寒い十月はじめ...
山本笑月 「明治世相百話」
...それは薄氷を踏むような薄寒い思いに似た...
横光利一 「旅愁」
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