...「あゝ我がはらから誰と遊ぶ」ふと薄寒い感じが体の中をすつと抜けて通るやうに思ふと...
有島武郎 「お末の死」
...それにもかかわらず家の内はいつもしんとして薄寒いような気のするほど静(しずか)である...
永井荷風 「寐顔」
...薄寒い墓地に居たのは仔細がなければなりません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...年寄りだし、まだ薄寒いし、頭巾を冠るに不思議はないが、耳の上までスポリと引下げていたのは可怪(おか)しい」「…………」「俺が帰ろうとする時、気が付いたように取ったが、あれは疑われたくないためだ」「フーム」「あの時俺は、鶯谷の耳の穴に、何か鼠色の光るものが、入っているのを見たような気がするんだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄寒い二月の夜、月が町家の屋根の上から出かゝつて、四方は金粉(きんぷん)を撒いたやうな光が薫(くん)じます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これも薄寒いのと淋しいので...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...薄寒い月のない晩で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――薄寒い早春の夜風を衝いて急ぎます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い夕風が街々を吹き拔いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ある薄寒い日の夕方のことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い襟元(えりもと)をかき合せ乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒いのに夕凉(ゆふすゞ)みの人通りで大變な賑ひだ」「それは何んの禁呪(まじなひ)だ」「何んかの彈(はず)みで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い日が續いた揚句...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い窓で考へ事をして居るのも變だし...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄寒い師走の往來に飛び出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...最う秋の末で薄寒い頃に袷に襦袢で震へて居るのに...
正岡子規 「墓」
...もう秋の末で薄寒い頃に袷(あわせ)に襦袢(じゅばん)で震えて居るのに...
正岡子規 「墓」
...朝は薄寒いようで...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
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