...貴方の處は如何でした?」「僕のところは山の手だから大丈夫ですよ」くみ子はハンドバツクから薄むらさきのハンカチを出して...
林芙美子 「多摩川」
...春の入日の沈丁花がどこやらに(中略)薄むらさきの円弧燈(アークとう)瓦斯と雪洞(ぼんぼり)...
正岡容 「浅草燈籠」
...白地へ薄むらさき杏葉牡丹(ぎょうようぼたん)を織りなした一本独鈷(どっこ)の帯しめた...
正岡容 「小説 圓朝」
...縁日の葡萄餅屋が絵行燈の朱と萌黄と薄むらさき...
正岡容 「寄席風流」
...薄むらさきに煙(けぶ)つた街の高い家(いへ)と家(いへ)との間(あひだ)に...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...今日は薄むらさきの奥にいて...
吉川英治 「私本太平記」
...蜀江織(しょっこうおり)の薄むらさきの鸞帯(らんたい)――つまり大事な物入れとして肌身につけておく腹おび――に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...また、その青い綾衣(あやぎぬ)には花鳥(はなどり)のもよう、薄むらさきの、長やかな風持つ紐(ひも)...
吉川英治 「新・水滸伝」
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