...人立(ひとだち)の薄さに...
泉鏡花 「怨霊借用」
...自然科学特有のイデオロギー性の稀薄さは...
戸坂潤 「技術の哲学」
...歴史哲学も亦観念論的存在論に固有な浮薄さを有つものである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...贅沢というよりはむしろ身の程を知らぬ軽薄さだ……...
豊島与志雄 「田園の幻」
...それは、俊太郎が、ロボットを、どれだけ、人間に近づけ得るか、という研究の対象物となっていた物で、ゴムの厚さ、薄さ、その硬軟の度合が巧妙に、アルミニュームの支柱を蓋(おお)うていて、その眼は、廻転をするし、その眼瞼は開閉するし、口、それから発音、歩行、物の把握――それらの動作は、殆ど人間とちがわなかった...
直木三十五 「ロボットとベッドの重量」
...年に似合わぬ無気味な刻薄さをチラリと見せることがある...
中島敦 「盈虚」
...金づくで濟まさうと思つた私の淺薄さを勘辨してくれ」「――」「この一埒(らち)は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...世の中の軽薄さを思わせられます...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...浅薄さを意味する...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...ルーベンスの浅薄さとよろこびの横溢を理解してその対蹠的芸術家として真の大芸術家としてレンブラントを書いているのです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...少くとも軽薄さではないでしょうか?もちろん人間はどんな絵でも描くでしょうし...
三好十郎 「絵画について」
...それだけに作家的鍛練と確立の手薄さかげんがマザマザと露出しているだけで無く...
三好十郎 「恐怖の季節」
...玉鬘(たまかずら)夫人は宮のお情けの薄さを継娘(ままむすめ)の不幸として聞いていながら...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...宇宙の摂理の広大不可思議を暗示するかのように……そうして草川巡査の一個人の智恵の浅薄さ...
夢野久作 「巡査辞職」
...動きのない一重瞼の薄さに...
横光利一 「旅愁」
...薄紅梅も薄さによっては悪くないが...
吉川英治 「紅梅の客」
...「不幸、山東を流寓(りゅうぐう)して、それがし逆境の身に、世間の軽薄さを、こんどはよく味わったが、昨日今日は、実に愉快でたまらない...
吉川英治 「三国志」
...これらの仏画を眼中に置いて現在の日本画を見れば、その弱さと薄さ、その現実を逃避する卑怯な態度などにおいて、明らかに絵の具の罪よりも画家の罪が認められるのである...
和辻哲郎 「院展遠望」
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