...今日の如き変態的な姿となつて現れるやうになつたのであります...
有島武郎 「農民文化といふこと」
...これは変態的な性格を持った化学者の悪戯(いたずら)だろうと思うのですが...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...変態的な妾の生活など嗤(わら)う様子もなく...
海野十三 「三人の双生児」
...非常に変態的な心理の持主です...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...結局狂った男の殺人剣に斃(たお)れるという陰鬱(いんうつ)な廃頽(はいたい)気分に変態的な刺戟(しげき)があり...
徳田秋声 「縮図」
...極めて変態的ながら...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...従来探偵小説が継子扱いにされていた出版界の変態的な歪みに乗じて起こった一つの自然現象であるとも言える...
平林初之輔 「現下文壇と探偵小説」
...次に、これは是非もないことかもしれぬが、作者の想像力が、常に変態的な、異常なものにのみ向けられることに対して私たちは不満を感ずるのである...
平林初之輔 「乱歩氏の諸作」
...一種の変態的な美しさに転化してしまつてゐるのだらうか...
堀辰雄 「噴水のほとりで――」
...変態的な愉悦(ゆえつ)にさえ駆られて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...変態的な理屈である...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それはまことに畜生のような変態的な男であったが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの変態的な、それなりにおれの異常な孤絶への願望や、破壊や屍体への嗜好という「狂気」をあきらかにしている行為も、ただの愛情のはげしさとしか受けとられないのか...
山川方夫 「愛のごとく」
...変態的な愛嬌顔(あいきょうづら)と向い合っているよりも...
夢野久作 「難船小僧」
...それでは今のお話のオナリ婆さんの変態的な性格についてですね……どんな風にオナリ婆さんが...
夢野久作 「巡査辞職」
...変態的な性格の所有者であった...
夢野久作 「復讐」
...……いいですか……又、実松氏が極端な変人であると同時に、血腥(ちなまぐさ)い殺生(せっしょう)を唯一の趣味としていた因縁も、その血腥い殺生行為のアトで、異常な性的の昂奮を見せるという、変態的な性格も、その故郷の血族の絶滅している理由も……そうして現在の品夫が、二十年前(ぜん)の殺人犯人に凝視されているという脅迫観念や、復讐をしなければ止まぬというような偏執狂(モノマニア)式の空想に囚(とら)われている原因も……何もかもがこの事件の核心となっているタッタ一ツの事実によって説明され得る……つまりT塚村の実松家は、ヒドイ精神病の系統であったと……」相手の悽愴(せいそう)たる語気に呑まれて、急に赤くなり、又、青くなりつつ眼を瞠(みは)っていた黒木は、この時ヤッとの事でヘドモド坐り直した...
夢野久作 「復讐」
...男とも附かない中間性の変態的な人間が出来上るから宜しくないというのです...
与謝野晶子 「「女らしさ」とは何か」
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