...ほんのりと薄くして...
泉鏡花 「歌行燈」
...祖父には馴染(なじみ)が薄くて...
太宰治 「誰も知らぬ」
...髪の毛は薄くなっているけれども...
太宰治 「火の鳥」
...二本業と余技との間の関係が薄く見えれば見えるほど...
戸坂潤 「思想としての文学」
...とに角今度の改正案によると私有財産制度の否定の方は非常に影が薄くて国体変革の方が著しく光って眼につく...
戸坂潤 「社会時評」
...薄くたなびいていて...
豊島与志雄 「白い朝」
...なんだか薄くなったような長髪と共に...
豊島与志雄 「絶縁体」
...薄く空一面を蔽(おお)うた雲の下で...
中島敦 「環礁」
...役高を併(あは)せて百五十石取の武家にしては、影が薄くて、卑屈で、島家の用人風情に引廻されて居る腑甲斐(ふがひ)なさを、事毎に平次は見せつけられます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...色白で、ポーツと頬が櫻色で、唇が薄くて、齒並びが綺麗で、手足が華奢で、芝居の色子の少しひねたといふ感じですが、こんなのは案外、強(したゝ)かな魂の持主であることは、長い經驗で平次はよく心得て居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...肩の薄くなった男に出会う...
林芙美子 「新版 放浪記」
...母の違ふに父親(てておや)の愛も薄く...
樋口一葉 「大つごもり」
...主観的歌想の中にて理屈めきたるはその品卑しく趣味薄くして取るに足らず...
正岡子規 「曙覧の歌」
...女史のことは最早語り草にもならなくなったほどに影が薄くなり...
正宗白鳥 「軽井沢にて」
...一種の捕え難い哀しさが心に薄く雲がかかるようになっている...
水野葉舟 「黄昏」
...こんなに試楽の日に皆見てしまっては朱雀院の紅葉(もみじ)の日の興味がよほど薄くなると思ったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...黒住は、薄く笑いながら、私の前の椅子に腰を下ろした...
蘭郁二郎 「蝕眠譜」
...しかし我をなくすることによって個性の色はいささかも薄くならない...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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