...皮ごと竪に二つに割って、横に薄く切り、醤油を滴らして食うと、酒の肴に珍無類、仙気を帯びた異味となる...
青木正児 「九年母」
...この菓子は非常に薄くて...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...容貌について言うなれば、額は広く高く、眉は薄く、鼻は小さく、口が大きくひきしまり、眉間(みけん)に皺(しわ)、白い頬ひげは、ふさふさと伸び、銀ぶちの老眼鏡をかけ、まず、丸顔である...
太宰治 「愛と美について」
...眼は黄色く濁って、髪は薄く、額は赤黒く野卑にでらでら油光りして、唇は、頬は、鼻は、――あによめは、あまりの恐怖に、わなわなふるえる...
太宰治 「花燭」
...宵闇の空は薄く曇って糠星が一つ二つ淋しそうに光っていた...
田中貢太郎 「魔王物語」
...ごく薄くではあるが...
豊島与志雄 「塩花」
...天にも、地にも、仙波の家のは、これ一人に相成った」小太郎の眼の中には、薄く涙が、滲み出て来た...
直木三十五 「南国太平記」
...怠気癖(なまけぐせ)のついてしまった身には俄(にわか)に駈(か)け歩いて職を求める気力が薄くなっている...
永井荷風 「ひかげの花」
...青い地がすいて見えるほどに薄くなる...
夏目漱石 「三四郎」
...何となく日本的表象の影が薄くなつたね...
林芙美子 「浮雲」
...膝のふくらみが、薄く、馬鹿に年を取つたやうだ...
林芙美子 「浮雲」
...大きく二重瞼の眼を見開いて中耳炎以来変に髪が薄くなった夫の顔をながめ...
「小祝の一家」
...その御飯を鮎の腹へ溢(あふ)れ出(だ)す位に詰めて手でよく抑えてそれから鮓箱(すしばこ)へ入れますが鮓箱がなければ落し蓋のある箱へ並べて薄く切った生姜(しょうが)をバラバラと載せて蓋の上から圧石(おし)をしておきますと半日位で食べられます」と語るに連れて広海子爵東海道の鮨を連想し「お登和さん...
村井弦斎 「食道楽」
...こんなに試楽の日に皆見てしまっては朱雀院の紅葉(もみじ)の日の興味がよほど薄くなると思ったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...張板や餅板の上に練ったイゴを薄く延ばしたものを...
柳田國男 「食料名彙」
...武松もおのれの馬鹿を知ってるように薄く笑った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...快味にくすぐられて薄く笑った...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...薄く瞼を閉じるとそれらは...
蘭郁二郎 「足の裏」
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