...それやこれやのことが薄々二人に知れたので...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...夫人の芳ばしくない噂を薄々小耳(こみみ)に入れてもYなぞはテンから問題としなかった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...実際二階にいるのだと云うのかね」薄々事の次第を悟った警視総監が...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...それは薄々感じていたのだ...
太宰治 「正義と微笑」
...薄々耳に入ったものらしく...
徳田秋声 「縮図」
...出迎えの家来達――いよいよ正式に御世継の決まる日と、薄々洩れ聞いて、喜んでいた家来達は(模様更(が)えになったのであろうか)と、思った...
直木三十五 「南国太平記」
...薄々世間でも知つて居ることだ――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――でも、死んだ當座は本當に氣の毒だと思ひましたよ」「生きて還つたと聞いたら、憎くなつたらう」「へエ――」「その千之助は、江の島の崖から落ちたのは怪我や過(あやま)ちぢやなくて、闇の中で人に突き落されたんだつて言つてるが、何うだ」「そんな事を私は知りやしません」「だから、死んだ跡でうまい事をした奴が、私を突き落したに違ひない――と千之助は言ふんだが」「――」「その上、自分を突き落した奴を、薄々知つて居る...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...町内の者に見付けられて――いや大變でしたよ」「フーム」平次も薄々それは聞いて居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...平次も薄々は聞いております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...師匠もそれを話しては氣の毒がつてをりましたが」平次もそれは薄々聽かないではありませんでしたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄々は知つてをられた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...兄のお前さんの命を狙ったのだ」「へェ――私も薄々そんな気がいたして居りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは子供心にも薄々了解(のみこめ)るから...
二葉亭四迷 「平凡」
...皆なが大騒ぎをしたことを御存じなの?」「薄々は知つてゐますな...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...前から周子の父親があまり質の好くない人間であることは薄々知つてゐた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...だけどもう薄々気が附いたらしいわ...
牧野信一 「凸面鏡」
...その人柄も薄々は知っていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
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