...それらの小農民たちの生活内情を薄々ながら知るに及んで...
犬田卯 「瘤」
...中には薄々(うすうす)感づいて沼南の口占(くちうら)を引いて見たものもあったが...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...薄々感づいている様な口調でした...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...いつも薄々の酒も茶の湯に優るとすまし込む天隨も...
大町桂月 「冬の榛名山」
...「私も或はそんなことではないかと薄々感じてはいたけれど...
豊島与志雄 「野ざらし」
...薄々存じているからには...
直木三十五 「南国太平記」
...薄々(うすうす)その儀は承って出かけましたんですが...
中里介山 「大菩薩峠」
...しかしそれも薄々は知ってます」「ホホホホ面白い事ばかり……」と細君相形(そうごう)を崩して笑っていると...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...番頭の佐助もその邊のことを薄々は知つて居たやうで――」「お桃さんがね」平次は妙に裏切られたやうな心持でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一と通り見ておきたい」薄々京屋の様子を捜(さぐ)っていた平次は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「薄々は知つてゐたと思ひます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――それから素知らぬ顔をして家へ入ったが、亭主の造酒助は、薄々感付いても、あばき立てるわけに行かない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...岡さんが制作に選ぶ気持が薄々解るやうな気がしましたね...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...前から周子の父親があまり質の好くない人間であることは薄々知つてゐた...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...どうも少々オカシイと思ったが……そこいらの消息を薄々感付いたんだナ」「ウン...
夢野久作 「空を飛ぶパラソル」
...少し前後のいきさつが変だとは薄々感づきながらも...
吉川英治 「新書太閤記」
...世間も薄々知ったかもわかりません...
吉川英治 「親鸞」
...薄々ながら直感してしまうのであった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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