...薄暗きに華厳の滝をのぞきつ七時過(すぎ)中禅寺湖畔の旅籠屋に入る...
伊藤左千夫 「滝見の旅」
...薄紗の帳白く垂れて輕く窓の板玻璃を打つ景を詩人が見て...
ステファンヌ・マラルメ Stephane Mallarme 上田敏訳 「薄紗の帳」
...これは創作が道楽でなくなって職業となり原稿紙に向うことに興味の念の薄くなって来た以上止むを得ぬ傾向と言わねばならなかった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...十一月の末には手水鉢(ちょうずばち)に薄氷が張った...
田山花袋 「田舎教師」
...小肥りの皮膚の艶々しい中江の顔がわりに血の気が薄く...
豊島与志雄 「慾」
...これを王儉は、兵の字が淺薄で、軍の字の方が意味が深廣であるとして、改めて軍書志とした...
内藤湖南 「支那目録學」
...むしろ薄い紫が射している...
夏目漱石 「三四郎」
...畳付(たたみつ)きの薄っぺらな...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...ただ興味の薄い事には樹の上で口に啣(くわ)えてしまわなくてはならん...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...丹青(たんせい)の薄化粧を洗ひ落し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...哀れカルメンは雨に打たれ、薄い靴も濡れて、破れている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...薄汚れた幟(はた)が一本...
正岡容 「寄席」
...前夜積つた薄雪が...
正宗白鳥 「孫だち」
...薄色の壁紙と軽い白っぽい家具とがあるので...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...今でもその薄暗い倉の中に動いてゐる母の手拭を冠つた姿と...
水野仙子 「白い雌鷄の行方」
...鳥屋(とや)は別当が薄井の爺さんにことわって...
森鴎外 「鶏」
...材料が貴いためか薄手に作るので時折冷い感じを受けますが...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...次第次第に因縁も薄らぎ...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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