...薄暗い梯子(はしご)を駈(か)け上りました...
芥川龍之介 「アグニの神」
...勿論薄雲太夫(うすぐもだいふ)のさ...
芥川龍之介 「南瓜」
...つまり稀薄(きはく)なもので出来てゐるんだぜ...
犬養健 「朧夜」
...スペインは必ず薄きにあらず...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...腹が下ったとかで、夜っぴて女房に、腹をさすらせたり、足をもませたりしていたそうです」「重宝な現場不在証明(アリバイ)ができたものだな」と課長は、薄笑いをした...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...あの薄い素絹を敷いた様な円(つぶ)らな両の瞳を見開いて...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...もしくは関係の薄い記事を見ると...
薄田泣菫 「茶話」
...私は博覧会の薄肉の額を見た時から...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...また、春夏秋冬つねに裸体にして、とわに無言、やや寒き貌(かお)こそ、(美人薄命、)天のこの冷酷極りなき嫉妬(しっと)の鞭(むち)を、かの高雅なる眼もてきみにそと教えて居る...
太宰治 「もの思う葦」
...そうして薄暗くなって行く室(へや)の中では...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...薄い黒土の層があって...
寺田寅彦 「浅間山麓より」
...また江川太郎左衞門は「御備へ――如何にも御手薄ゆえ...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...その薄明の中に、じっと眼をこらすと、この怪異な姿の鮫が、自若として鎮座している...
中谷宇吉郎 「異魚」
...それが薄赤く染(そ)まつて居た...
夏目漱石 「それから」
...ある薄暗い雨の降る冬の午後だった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...わずかに低く薄く生えた叢(くさむら)の上に伏すもなお見分けにくい...
南方熊楠 「十二支考」
...同じ地方ではまた大根を薄く切って乾したものを...
柳田國男 「食料名彙」
...薄暗(うすくら)い長屋の隅でポウブルな母と娘がつぎ貼(は)りした障子の中の冬の明(あか)りに...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
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