...或は薄々と虚空へ消えていったりする...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...どうせ無獨得(むどくとく)の淺薄者流ばかりだから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...罪の道伴(みちづ)れとなった不運の宗一の可憐な写真や薄命の遺子の無邪気に遊び戯れるのを見ては誰しも涙ぐまずにはいられなかった...
内田魯庵 「最後の大杉」
...「そんなものかなア……」「貴方なんぞに分らないも無理はないと思いますがねえ」と速水は薄気味わるい笑みを浮べた...
海野十三 「深夜の市長」
...「あの方は、徳が薄いのに、福が浅いから、頼みにならないですわ...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「阿霞」
...薄ぼんやりと夜中に月が出て...
田山花袋 「道綱の母」
...薄暗い土蔵の二階...
豊島与志雄 「蜘蛛」
...君江は薄地の肩掛を取って手に持ったまま...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...こんな軽薄な競技を日本に流行させて...
中里介山 「大菩薩峠」
...手に取つて見ると、薄手の半紙に、美しい筆跡で書いたのが一枚...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は答えて「不親切薄情と云うけれども...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そんな薄寒いような日...
堀辰雄 「菜穂子」
...母親は薄明の中に坐っていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...薄い掛け夜具を胸乳(ちち)のところまで掛け...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それと同じ程度に浅薄幼稚を極めた思い付きであった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...雷薄(らいはく)...
吉川英治 「三国志」
...薄茶をいただく...
吉川英治 「随筆 新平家」
...薄ら覚えに記憶はしていたのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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