...一時は発狂したのも同様だった(「お粂さんは」髪の毛の薄いためにどこへも片付かずにいる人だった...
芥川龍之介 「本所両国」
...薄赤い絨氈(じゅうたん)に目を落した...
芥川龍之介 「夢」
...性情の輕薄で頭腦の雋敏なものは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...近くに坐(すわ)っている男たちを薄気味悪がらせて...
太宰治 「新釈諸国噺」
...青銅の薄端(うすばた)に水仙の花の一茎がすっきりと活けてある...
豊島与志雄 「変る」
...そしてまた薄い眼瞼を閉じた...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...薄着のことも気にならず...
中里介山 「大菩薩峠」
...校長も此の男に対する悪感が薄らいでゐるのであつた...
中原中也 「校長」
...今まで薄い藍色のヴェールをかぶっていた流水は...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...彼は身に薄い外套(がいとう)を着けていた...
夏目漱石 「明暗」
...薄々世間でも知っていることだ――...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「妙な客があるんだね」「土左衞門でも拾つて來るんぢやありませんか知ら」「その薄れ鼠の客は二度と重ねて來るのかえ」「そんな事まではわかりませんが」隣のお神さんの觀察も其處までは屆かない樣子です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...薄情にも私を見捨てて去っていく姿は...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...空氣もだいぶ稀薄らしい...
堀辰雄 「繪はがき」
...かれの人品のいい軽薄でない微笑は...
吉川英治 「新書太閤記」
...薄赤い腹を見せてころがったが...
吉川英治 「親鸞」
...そしてその晩はべつに何の事もなく客が帰ると戸を卸(おろ)していつものように薄い蒲団にくるまって寝ただけだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...そこに感傷性が生まれて生活を浅薄化するのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??