...或はその蕪雑な所に...
芥川龍之介 「上海游記」
...いやいやながらに怠け怠けてやっていたような蕪雑な粗漏のないことを信じて安心している...
大杉栄 「獄中消息」
...私は哈爾賓の持つ蕪雑(ぶざつ)な詩趣を愛する...
谷譲次 「踊る地平線」
...全体が蕪雑でもあり...
津田左右吉 「学究生活五十年」
...しかしあまりにも無作法にこの特権を濫用したこの蕪雑(ぶざつ)なる一編の放言に対しては読者の寛容を祈る次第である...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...却って一つのより蕪雑な概念――作用という――を用いて同語反覆するに過ぎないであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...甚だ蕪雑な概念をしか持っていないのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...江戸伝来の趣味性は九州の足軽風情(ふぜい)が経営した俗悪蕪雑(ぶざつ)な「明治」と一致する事が出来ず...
永井荷風 「深川の唄」
...之を目にすればいつとはなく野卑蕪雑の文辞に馴れ浅陋軽薄の気風に染むに至ればなり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...この蕪雑な私の文章にも多少のうるみが生じ...
牧野信一 「環魚洞風景」
...到底それらなきいまの寄席は季感なき自由律俳諧の無味蕪雑にも等しいとさへあへて云ひ度い私なのである...
正岡容 「寄席風流」
...世は早くも蕪雑(ぶざつ)な世に化したであろう...
柳宗悦 「工藝の道」
...この蕪雑(ぶざつ)な現(うつ)し世(よ)も...
柳宗悦 「民藝四十年」
...今日より見れば随分蕪雑(ぶざつ)なる或者はアホダラ経に似たる当時より見れば...
山路愛山 「明治文学史」
...ただ粗漏蕪雑(ぶざつ)のまま大体を取纏めて公表を急がなければならなくなった筆者の苦衷を御諒恕の程幾重にも伏願する次第である...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...」逆さに椅子をテーブルの上に積み上げたあたりのカフェーの蕪雑さを眺めまわして塩野は云った...
横光利一 「旅愁」
...何(いづ)れの地の記事も蕪雑であるが...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...以上蕪雑なる一文を敢へて草したわけである...
淀野隆三 「横光さんと梶井君」
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