...連雀(れんじゃく)の藪蕎麦が近いから...
泉鏡花 「薄紅梅」
...其の花は蕎麦の花であった...
田中貢太郎 「白い花赤い茎」
...肌寒い、蕎麦の花が白い...
種田山頭火 「其中日記」
...小山を開墾した畑には蕎麦(そば)の花がもうそろ/\その白い美しい光景を呈し始めようとして居た...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...蕎麦の風味が好い...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...――いくら不便だって食いたいものは食いたいですからね」「それはのらくら坊主だろう」「すると僕らはのらくら書生かな」「御前達はのらくら以上だ」「僕らは以上でもいいが――坂本までは山道二里ばかりありますぜ」「あるだろう、そのくらいは」「それを夜の十一時から下りて、蕎麦を食って、それからまた登るんですからね」「だから、どうなんだい」「到底(とても)のらくらじゃ出来ない仕事ですよ」「アハハハハ」と老人は大きな腹を競(せ)り出して笑った...
夏目漱石 「虞美人草」
...どろどろした蕎麦湯を奥さんの見ている前で飲みました...
夏目漱石 「こころ」
...おれは蕎麦が大好きである...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...噛んじゃ蕎麦の味がなくなる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...確かに蕎麦を三つ取ったと言うんで――」「フーム」平次の見当は見事に当りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...夜泣蕎麥(そば)を二杯も喰へるだらうか」「膽の据つた野郎だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今川橋(いまがはばし)の際(きは)に夜明(よあか)しの蕎麥掻(そばが)きを賣(う)り初(そめ)し頃(ころ)の勢(いきほ)ひは千鈞(きん)の重(おも)きを提(ひつさ)げて大海(たいかい)をも跳(おど)り越(こ)えつべく...
樋口一葉 「われから」
...ざらざらする蕎麦団子を食ってしまった子供に阿母は厳しく申渡した...
本庄陸男 「とも喰い」
...その血に染まって蕎麦の茎が今のごとく赤くなったという天草の俚話がある...
南方熊楠 「十二支考」
...待合室で白い服(ふく)を着(き)た車掌(しゃしょう)みたいな人が蕎麦(そば)も売っているのはおかしい...
宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
...それが蕎麦掻の注文を聞いて...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...蕎麦(そば)が食いたい』『たのんでおこう...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...蕎麦のうえの塵を箸で取り退(の)けている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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