...仰いで大空を蔽う松葉を眺めると...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...地帯一帯を蔽う、くぬぎ林は、ハヤシの如くしずまりかえっているし、はき溜(だめ)を置いてあるでなし、ドブ板があるでなし、リーヤ・カーが置きっ放しになっているではなし、ましてやネオンサインも看板もない...
海野十三 「第四次元の男」
...人間の生死を通じて今や蔽うことのできない証拠となってきたことを...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...坊主どもが新制度に対するその広大な陰謀によって全フランスを蔽うていた時...
ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン Pyotr Alekseevich Kropotkin 大杉栄訳 「革命の研究」
...下はまた五六丈の巖を蔽うて下る...
大町桂月 「十和田湖」
...莚で蔽うたりして葬ったものらしいので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...恐らくより文学的に優れた表現を用いようと努力したことから生じるものだろうが(論旨の弱小・貧困を蔽うためであるかどうかは論外として)...
戸坂潤 「思想としての文学」
...心の青空を蔽うのである...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...厚い黒雲が空を蔽うて日光を遮(さへぎ)つた...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
...戦局の不利は蔽うことが出来なくなった...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...日は暮れ果てて黒き夜の一寸(すん)の隙間なく人馬を蔽う中に...
夏目漱石 「幻影の盾」
...私は顏を蔽うて壁を向き...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...先日から片方(かたはう)の眼を蔽うてゐた暗さがだん/\薄れて行くやうな氣がしてゐたが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...三味線を抱えた手で眼を蔽うたりしながらも...
三好十郎 「斬られの仙太」
...それを蔽うてあふれるものもある...
室生犀星 「舌を噛み切った女」
...「……S・AOYAMA……この絵は貴女(あなた)の絵ですか」「……いいえ……わたくしの先生……」と云いさしてハッとハンカチで口を蔽うた...
夢野久作 「暗黒公使」
...そうして鼻から下を蔽うたハンカチを取り除(の)けて...
夢野久作 「霊感!」
...自己の罪を蔽うために...
吉川英治 「三国志」
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