...これによって哲学の全体を蔽うわけにいかない...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...今度はそれを掴(つか)んで矢つぎ早に船尾を蔽う煙に向って投げつけた...
海野十三 「地球発狂事件」
...肥後国山鹿郡荒爪の山を蔽うと...
高木敏雄 「比較神話学」
...思いに沈んで元気なくその片手で眼を蔽うた時...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...たといこの規定が学問性全体を蔽うのでなくても...
戸坂潤 「科学方法論」
...仮に技術性で以て生産力の規定の凡てを蔽うて了うならば...
戸坂潤 「科学論」
...こうした条件の下で避け難い理論的停滞の現象も蔽うべくもない...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...恐らくより文学的に優れた表現を用いようと努力したことから生じるものだろうが(論旨の弱小・貧困を蔽うためであるかどうかは論外として)...
戸坂潤 「思想としての文学」
...実はもはや芸術全般だけを蔽うものでさえなくなって了わねばならぬ...
戸坂潤 「認識論としての文芸学」
...くっきりと蔽うている...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...日は暮れ果てて黒き夜の一寸(すん)の隙間なく人馬を蔽う中に...
夏目漱石 「幻影の盾」
...なほも穩やかに半天を蔽うて棚引いてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その濕(しめ)つた風と水氣(すゐき)を含んだ空が生み蔽うたものゝ中でも嘗てない淨(きよ)らかな薔薇と...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...顏ぢゆうをマスクで蔽うた...
正宗白鳥 「奇怪な客」
...ランプから青味がかった光が流れて、花模様の帷が静かなひだを作りながら、窓を蔽うている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...空を蔽うような激しさになる)警防団員の声 (近くで)艦載機がやって来たぞう! 艦載機だ! 待避! 待避! 艦載機だあ!(バタバタバタ...
三好十郎 「樹氷」
...私は自分の顔を両手で蔽うた...
夢野久作 「眼を開く」
...そうして鼻から下を蔽うたハンカチを取り除(の)けて...
夢野久作 「霊感!」
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