...「れぷろぼす」が上に蔽うたれば...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...地帯一帯を蔽う、くぬぎ林は、ハヤシの如くしずまりかえっているし、はき溜(だめ)を置いてあるでなし、ドブ板があるでなし、リーヤ・カーが置きっ放しになっているではなし、ましてやネオンサインも看板もない...
海野十三 「第四次元の男」
...氷は北緯五十度まで、及び南緯五十度まで、蔽うに過ぎない...
海野十三 「予報省告示」
...肥後国山鹿郡荒爪の山を蔽うと...
高木敏雄 「比較神話学」
...曇りの無い鏡の面には惜し氣も無く顏を蔽うて垂れた房々した黒髪が映つてゐる...
高濱虚子 「俳諧師」
...故意に事実に眼を蔽う卑怯者(ひきょうもの)の振舞である...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...炊烟(すいえん)東海の天を蔽う...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...厚い黒雲が空を蔽うて日光を遮(さへぎ)つた...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
...空を蔽う欝蒼たる森林の気に圧せられて...
豊島与志雄 「山吹の花」
...遥かなる過去の一時期に西は埃及(エジプト)から東は米大陸に至るまでの広汎(こうはん)な地域を蔽うた共通の「古代文明の存在」を仮定する...
中島敦 「環礁」
...支え切れなくなったと見えて両手の掌(たなごころ)で顔を蔽うと...
久生十蘭 「魔都」
...切り結ぶ刄音を聞くまいとして耳を蔽うた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私は眼を蔽うて入口の石枠に頭を凭(もた)せかけた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼女の優美な姿を蔽うているほとんど唯一のものであるように見えた...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...齒を喰ひしばつて顏を蔽うてしまつた...
水野仙子 「四十餘日」
...両手が顔を蔽うたのである...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...あさ子、両手で顔を蔽う...
森本薫 「みごとな女」
...その前にペタリと坐って両手で顔を蔽うた...
夢野久作 「継子」
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