...私たちはこの損失のお蔭で生活に一段と深入りしたのだ...
有島武郎 「小さき者へ」
...警官の一人を洗面所のカーテンの蔭にかくしておいたことは...
海野十三 「地獄の使者」
...お蔭で生命(いのち)拾ひをした...
薄田泣菫 「茶話」
...館(やかた)に居ては常に几帳(きちょう)や簾(すだれ)の蔭にかくれていたから...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...「とうっ」その、張り切った気合を受けて、弾き返した瞬間、小太郎は、柳の木蔭へ、躱(さ)けていた...
直木三十五 「南国太平記」
...山蔭へ――「おーい」と...
直木三十五 「南国太平記」
...ようやくめざすところの森蔭に来た時分には...
中里介山 「大菩薩峠」
...分隊長(ぶんたいちやう)の高岡軍曹(たかをかぐんそう)は我々(われわれ)を銃器庫裏(ぢうきこうら)の櫻(さくら)の樹蔭(こかげ)に連(つ)れて行(い)つて...
南部修太郎 「一兵卒と銃」
...と、木戸を押してそっと入って来た怪しの者が一人、跫音(あしおと)も立てずに部屋の外へ忍び寄ると、戸袋の蔭から、スルリと縁側に滑り込みました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「見ていたようですね、親分」「どれ、もう一人の方を見せてくれ」「こっちですよ」下ッ引の一人が指したのは、土竈の裏、問題の銭箱の蔭...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お蔭でお六は下手人の疑ひから取り除(の)けられたやうなもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...御蔭でようやく熱も下りましたから...
野呂栄太郎 「平野義太郎宛書簡」
...マナイールへ行こう!……街路樹の蔭からでも...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...蔭に護衛者が付いているだろう」「そんな者の五人や十人」「うるさい...
山本周五郎 「風流太平記」
...蔭ながらお助けをうけたので...
吉川英治 「新・水滸伝」
...とかくな蔭口もなくはなかった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...和子様をおぶって粘土(こねつち)を取りに参りました丘の蔭にこう...
吉川英治 「親鸞」
...几帳(きちょう)の蔭から...
吉川英治 「親鸞」
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