...いずれも日蔭を便(たよ)るので...
泉鏡花 「瓜の涙」
...光りと蔭とがその顏の色をちら/\と刺戟して...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...あなた方ご兄弟のお蔭で...
海野十三 「崩れる鬼影」
...先頭は庄屋の紅葉、それから下男の思案、眉山、九華、錦簔、露紫、虚心、柳蔭、いづれも夢中で踊り抜いた...
江見水蔭 「硯友社と文士劇」
...」と言つて池の岬の木蔭に腰をおろした...
太宰治 「津軽」
...と云うくらいな蔭口(かげぐち)はきいた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...杉の木蔭に々(ぐうぐう)焉と寝て居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...松林の中は日蔭になつて吹き通ふ風の涼しさ...
永井荷風 「買出し」
...ひそかにその裏の縁側の南天の蔭が物音を立て...
中里介山 「大菩薩峠」
...小暗い木蔭の道路での...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...その蔭膳を食はされるのが随分迷惑だつたといふ話を父にしたことがあつた...
牧野信一 「鏡地獄」
...蔭(かげ)になったほうの室へひそかにはいっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...平生の話し声までが蔭で聞いていると太い声で...
山本笑月 「明治世相百話」
...お蔭で私も初めて馬の味を知ったが...
山本笑月 「明治世相百話」
...貴方が過去の御記憶を回復されましたお蔭で...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...三峰神社の太鼓が山蔭(やまかげ)にとどろいて聞こえてくる...
吉川英治 「江戸三国志」
...そのお蔭で、彼は故郷を出てから夢中であった過去のことを、静かに瞑想してみることが出来た――今憶えば、病み上がりの柔弱な体で、よく大胆にこの冒険が敢えて出来たと思えるのだった...
吉川英治 「剣難女難」
...終始うしろめたいような蔭(かげ)を持っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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