...土手の蔭の橋の傍で聞けと教えてくれた...
伊藤野枝 「転機」
...「お蔭様で、もうすっかりなおりましたので……」とお答えすると、「それはよかった...
上村松園 「中支遊記」
...例の会合のある三階の窓際にある衝立(ついたて)の蔭に達しているのを発見するであろう...
海野十三 「国際殺人団の崩壊」
...一心に法華を誦んだお蔭で...
薄田泣菫 「久米の仙人」
...どこから射して來るのか樹蔭のやうな緑色の光線を受けて...
太宰治 「お伽草紙」
...ときどきそそっかしく鼻へあてる近眼鏡の蔭にさまよう眼付なんか...
モーリス・ルヴェル Maurice Level 田中早苗訳 「無駄骨」
...鉄柱の蔭(かげ)で一人一人に薄笑いを浴びせている若いモダンボーイ風のや……...
徳永直 「冬枯れ」
...屏風の蔭から竜之助が刀を提げて歩いて来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...の木蔭には赤い表をあらはしたり白いうらをあらはしたりして散り重つて居る落葉が雨に打たれて居る...
長塚節 「松蟲草」
...御蔭(おかげ)で三年の後半期の試験の方は滅茶(めちゃ)苦茶になってしまって...
中谷宇吉郎 「寺田先生の追憶」
...八の野郎を看板にして蔭で繰った方が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...県居(あがたい)の門下のものの著書とか、村田春海の歌集、千蔭の歌集など、どうしてそんなにたくさんの本を送ってくれたか、どんな方法で送ってくれたか、憶えていないが、ともかくついでのある毎に送り届けてくれるのであった...
柳田国男 「故郷七十年」
...静かに昔の山桜の蔭に来て立って...
柳田国男 「雪国の春」
...そのままコソコソと人ごみの蔭に隠れると何気もない体(てい)で振り返って...
夢野久作 「人間レコード」
...日盛りの一刻は、皆、木蔭やそこらで、昼寝しているのに」「眼につく所で働いていると、皆様の昼寝を邪魔しますから、屋根ならよいと思って」「嘘をいえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...山蔭の闇を見下ろしながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...葭簀(よしず)の蔭に腰を下ろした...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...両親のお蔭で中学校へ通わせてもらっている幸福な少年たちのように...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
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