...靴足袋、玩具、甘蔗の茎、貝釦(かいボタン)、手巾(ハンカチ)、南京豆、――その外まだ薄穢い食物店が沢山ある...
芥川龍之介 「上海游記」
...よく好んで甘蔗を食べたものだが...
薄田泣菫 「独楽園」
...三年霜に打たれた甘蔗を捜しまわらなければいけなかった...
太宰治 「惜別」
...三年霜に打たれた甘蔗のかわりに...
太宰治 「惜別」
...岩淵(いわぶち)の辺甘蔗畑(かんしょばたけ)多くあり...
寺田寅彦 「東上記」
...甘蔗と間違えて西洋箒黍(ほうききび)を噛(か)んで吐き出したり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...当時しばしば田畑に甘蔗を植るを制止するの令あり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...甘蔗の糖分の稀薄な夏季は工程を休み...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...甘蔗の葉摺(はずれ)の外...
中島敦 「光と風と夢」
...分析した標品のうちでどれが蔗糖を含んでいるか確かめることを敢えてしなかった...
アーサー・ヒル・ハッサル Arthur Hill Hassall, M.D. 水上茂樹訳 「食品とその混ぜ物処理」
...那覇町を出て低温な甘蔗畠を過ぎ三里ばかり...
濱田耕作 「沖繩の旅」
...いちめんの甘蔗(かんしょ)畑であった...
浜本浩 「甘い野辺」
...夏の終りに苅(か)り採った甘蔗の茎を買い溜め...
浜本浩 「甘い野辺」
...甘蔗(かんしよ)と...
林芙美子 「浮雲」
...竹の莖のやうな甘蔗をモオタアのかゝつた絞り機械で...
林芙美子 「屋久島紀行」
...甘蔗の刈入れられた荒凉とした畑地を見ただけで...
林芙美子 「屋久島紀行」
...早いころ脱船し、コロンビヤ河を泳ぎ渡って北米へ密入国したシヤッコ船の運転士で、紐育(ニューヨーク)を食いつめると南海廻りのトランパー(不定期貨物船)の船長になり、象牙棕櫚と白檀の運送をやった後、トレース海峡からガラパゴス諸島、フィジー諸島、ニュウ・ギニアと南太平洋を股にかけ、銃器密売、コプラ、甘蔗、海鼠、瑁(たいまい)、極楽鳥...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...漸く蔗を嚼(か)む境に入りぬ...
森鴎外 「舞姫」
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