...之に對する自己の統覺が餘りに混亂し餘りに表面に蔓延してゐることを感ずる時期がある...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...図210は蔓のある瓢(ひさご)の形をしている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...この先が蔓のようにくるくるとまいている...
海野十三 「火星兵団」
...秋の山に木通(あけび)や葡萄(ぶどう)の蔓(つる)をたずねて...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...此名を直譯すれば蔦蔓の下の人となる...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...ところでその下流なるセントルイ市で窒扶斯が蔓延し...
寺田寅彦 「話の種」
......
富澤赤黄男 「天の狼」
...太十は草刈鎌を研ぎすましてまだ幾らもなって居る西瓜の蔓をみんな掻っ切って畢った...
長塚節 「太十と其犬」
...一九〇五年のカタログに載った〈ジェネラル・マックァサー〉という新種の蔓薔薇の苗を買ってきてパーゴラへ植え...
久生十蘭 「だいこん」
...日蔭には野いちごの蔓(つる)が黄ばんだ花をつけていた...
本庄陸男 「石狩川」
...漸々滋蔓(じまん)して淮西の諸郡を陥れ...
南方熊楠 「十二支考」
...蔵元屋は夜逃げ致し兼ねますまいて……肝腎要の金の蔓の娘が殺されたので御座いますから……」「うう――――むむ……」松倉十内は恨めしそうな白い眼で赤猪口兵衛を白眼(にら)み付けた...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...そんな時は手を延ばして蓴菜の蔓(つる)を手(た)ぐつて進んで行く...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...反絵は藤蔓で巻かれた訶和郎の身体を一本の蜜柑の枝へ吊(つ)り下(さ)げた...
横光利一 「日輪」
...そちが一生の出世(しゅっせ)の蔓(つる)は...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そこの絶壁へすがる藤蔓(ふじづる)があった...
吉川英治 「新書太閤記」
...スルスルと藤蔓(ふじづる)につかまって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...永遠に向つて蔓草のやうに根を張つてゆくだろう事を思ふと...
若杉鳥子 「烈日」
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