...これはあり合ふ藤蔓(ふじづる)を張りて...
巌谷小波 「こがね丸」
...九 木を燒いて作つた灰をヒサゴ(蔓草の實...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...さて多くの医師たちはコレラの蔓延における汚染水の影響を認めてはいても...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...僕は甘藷の蔓を六百本植えた...
太宰治 「パンドラの匣」
...焼け跡から折り取って来た生前遺愛の蔓薔薇(つるばら)を供え...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...瓜蔓葛(かまんかつるい)以て松陰に及び...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...無論そんな手蔓のあらう筈もなかつた...
永井荷風 「勲章」
...ここで金の蔓(つる)にありついたのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...流言蜚語は決して蔓延(まんえん)しない...
中谷宇吉郎 「流言蜚語」
...恰(あたか)も蔓(つる)をたぐるように理解せられて行くのである...
西田幾多郎 「読書」
...藤蔓で拵(こしら)えた粗末な投げ罠...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...あれは大事の金の蔓(つる)ぢやないか」「その金の蔓が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...隠れた入り口の上を蔽っている灌木の蔓(つる)がからみつくのを押しのけて...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...玄関から高い窓にまで蔦蔓(つたかづら)が登つて...
槇本楠郎 「文化村を襲つた子供」
...しかしへちまは竹とか木なんぞに絡みつく蔓草(つるくさ)だからな...
山本周五郎 「へちまの木」
...その日の閉鎖時間が真近(まぢか)くなると不穏な予言が蔓延した...
横光利一 「上海」
...母が答へる暇(いとま)のない中に父は足早に家の方へ行つてしまひ私は朝貌(あさがほ)の蔓(つる)を手に持つたなりで惘然(ぼんやり)とあとを見送つて居り升た...
若松賤子 「黄金機会」
...そして段々検べてみると同じ残党でも鎌倉の落武者の後である事が解つて、蔓を解いた...
若山牧水 「木枯紀行」
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