...葡萄の蔓は高く這ひのぼりて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...南瓜の蔓(つる)は焚附(たきつけ)にもならぬ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...五六丈の上から垂れ下つた藤蔓をたよりに浮島へ渡つて清めようとしたときに池の主が之を見込んでその儘ずるずると引き込んだと言ふ...
江南文三 「佐渡が島から」
...将来更に蔓延せんとする有様である...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...眞拆(まさき)の蔓(かずら)を鬘(かずら)として...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...僕は甘藷の蔓を六百本植えた...
太宰治 「パンドラの匣」
...それに同じく藤蔓を編んだ籠を下げ...
中里介山 「大菩薩峠」
...一番困るのはこの種の病気の蔓延(まんえん)である...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...この祕密宗教が日本國中に蔓(はび)こり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼が子供の頃見憶(みおぼ)えて久しく眼にしなかった草花が一めんに蔓(はびこ)っていた...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...流行病の発生を妨げその蔓延を阻止するに非常に適している...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...こだにの蔓(つる)などを少し引きちぎらせて中の君への贈り物にするらしく薫は従者に持たせた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...つた蔓(かずら)からませたる架(たな)ありて...
森鴎外 「うたかたの記」
...塀は態(わざ)とらしく庭の中から伸び余つた蔓草(ぐさ)であつさりと緑の房を掛けさせてあるのである...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...藤棚から藤のつるが思いのまま伸(の)び蔓延(はびこ)っているし...
吉川英治 「黒田如水」
...附近の空閑地に蕪(かぶ)(蔓菁(まんせい)ともよぶ)の種を蒔(ま)かせたということだ...
吉川英治 「三国志」
...またなんぞうまい手蔓(てづる)にぶつからぬかぎりもござりますまい...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そのころ呟(つぶや)いた自分の句に「この先を考えている豆の蔓(つる)」というのがあります...
吉川英治 「親鸞の水脈」
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