...彼は蔓(つる)のやうにからみ付くその手足を没義道(もぎだう)にも他愛なく引き放して...
有島武郎 「An Incident」
...今緑なる蔓草(つるくさ)となりて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...食糧の調製または販売に雇われた人たちのあいだでコレラが起きたときにこの病気は蔓延するであろうが...
ジョン・スノウ John Snow 水上茂樹訳 「コレラの伝染様式について」
...そうして甘藷(かんしょ)の蔓を植えつけるのである...
太宰治 「パンドラの匣」
...庵にも珍風景なきにしもあらず!おたがひにからだがわるくていたはる雑草・胡瓜の蔓のもうからんでゐるゆふべ・とんぼついてきてそこらあるけば改作追加・前田も植ゑて涼しい風の吹いてくる五月三十一日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...思案に餘つて少しの手蔓(てづる)をたよりに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...蔓巻の打刀(うちがたな)を指した士(さむらい)の風体なのに...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...この青い蔓をまきつけるよ...
槇本楠郎 「きんまくわ」
...葛(かつら)の蔓(つる)のように旋(めぐ)りつつ登ってしまう...
柳田国男 「海上の道」
...四藤蔓(ふじづる)の皮で布を織って常服とすることは...
柳田国男 「木綿以前の事」
...花の艶麗ははるかに蔓荊にすぐれているが...
柳田国男 「雪国の春」
...腐つた電柱の頂きまで這ひ上つてゐる蔓草の白い花...
横光利一 「榛名」
...あけびの蔓(つる)でまいた山刀一本さしていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...蔓梯子(つるばしご)がブラさがっている...
吉川英治 「神州天馬侠」
...芋蔓(いもづる)でしょッ曳(ぴ)ける」何濤(かとう)は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...蔓草(つるくさ)の白い花みたいに...
吉川英治 「宮本武蔵」
...蔓(つる)のある馬兜鈴(うまのすずくさ)は...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
...或る一本の樫の木に草鞋のままに攀じ登って頻りに蔓を引いていると...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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