...どんなに外の露西亜(ロシア)の作家を軽蔑したかわからない...
芥川龍之介 「芸術その他」
...いかに原始的な激情であっても、扱い方によっては必ずしも卑俗(ひぞく)とはいえないのだけれど、たとえば笑いにおける「クスグリ」のごとく、「お涙頂戴」や「こわがらせ」やを意識して、なんら深い洞察もなく、これらのスリルを生々しく描き出した作品が、軽蔑を含めて、スリラアと呼ばれるのは是非ないところである...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...ベートォヴェンに軽蔑された伯爵夫人よりもこの方が数等しをらしいかも知れない...
高田保 「恋文」
...碌(ろく)すっぽ踊れないのに人気のために天狗(てんぐ)になって古い先輩を軽蔑し...
高見順 「如何なる星の下に」
...昼飯も食べないでいるの!」同情したのか軽蔑したのか分らない調子だったが――恐らく両方だったろうが――兎に角彼女はすぐに食事にしてくれた...
豊島与志雄 「神棚」
...強い冷酷な軽蔑(けいべつ)の念があるのを感じた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そう軽蔑も出来ないよ...
豊島与志雄 「裸木」
...ナポレオンの仲間を軽蔑するシャールマーニュ大帝の仲間...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...気取って山出しのおれを軽蔑している――柳田の頭は...
中里介山 「大菩薩峠」
...富を軽蔑(けいべつ)し...
中島敦 「光と風と夢」
...農夫たちはフリーダに対して大いに軽蔑の色を見せたが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...今日のような軽蔑はまだ生じていませんでしたし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...私共が若い時に直接に侮辱(ぶじょく)軽蔑(けいべつ)を受けたのは...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...それも己(うぬ)一個(ひとり)で鼻に掛けて、己(うぬ)一個(ひとり)でひけらかして、己(うぬ)と己(うぬ)が愚(ぐ)を披露(ひろう)している分の事なら空家で棒を振ッたばかり、当り触りが無ければ文三も黙ッてもいよう、立腹もすまいが、その三文信用を挟(さしはさ)んで人に臨んで、人を軽蔑して、人を嘲弄(ちょうろう)して、人を侮辱するに至ッては文三腹に据(す)えかねる...
二葉亭四迷 「浮雲」
...ちくちくと冷ややかな軽蔑が決してないことはない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...自分から自分を侮辱し軽蔑する自棄と放胆とから生じた忍耐であった...
松永延造 「職工と微笑」
...侮蔑の心はないが...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「予言者の家で」
...彼は秋蘭の唇から彼女の愛情よりも、軽蔑を感じた...
横光利一 「上海」
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